1周クリアしたので、ネタバレなしでレビュー。
結論をいうと、シリーズ最高の質×量。
2019年水準でDMCならではの爽快なスタイリッシュアクションを楽しめる。
モンハン、バイオ、DMCと大規模タイトルでカプコンは連勝続きだ。
DMCシリーズまとめ↓
もくじ
DMC5とは
10年ぶりのシリーズ最新作
「スタイリッシュ」アクションゲームの代名詞、デビルメイクライ(DMC)シリーズ。
その最新作が前作「4」から10年の時を経て登場。
設定を一新したリブート作「DmC」とは違う、旧作の続編となっている。
「DmC」の印象を払拭するためか、シリーズのメインキャラクター総登場で豪華。
旧作の続編であることを強く印象づける内容。
シリーズの時系列は「3→1→4→5→2」なので、「2」以外に登場したキャラがストーリーに絡んでくる。
ボスやアクションのアイデアにも出し惜しみは一切無い。
「ここでシリーズが終わってもいい!」
ぐらいの気合を感じる。
一応言っておくと、前作「DmC」も好き。
そっちの続編も期待してる↓
旧作の続編だけど、シリーズ未プレイでも楽しめる。
というのも、
DMCシリーズって作品ごとに時系列がバラバラで作風も全然違うし、同じキャラでも性格が大きく変わってたりする。
ストーリーのつながりもザックリしたもの。
たしかに知ってるとニヤリとできる演出はあるけど、あまり全体のつながりを気にする必要はないと思う。
自分の場合、
プレイするまで3人が並んでるイメージイラストを見て、
服青いから真ん中の人がバージルで、右の人がネロだと思ってた。
この程度の理解でもちゃんと楽しめるので大丈夫。
2019年クオリティのDMC
「いつものデビルメイクライ」な面白さ。
遠くから寄ったり引いたりで演出するカメラワークと、キレキレのアクション動作がまさにDMC。
突進から斬りまくり、撃ち上げて斬り落とし、からの大技でフィニッシュ、と思わせて銃でコンボつないでまた突進!
俺のオリジナルコンボが止まらないぜ!
「いつもの面白さ」というと凡作のように聞こえるかもしれないが、とんでもない。
「ゴットオブウォー(PS4)」でも思ったけど、
時代を経てもシリーズらしい面白さを感じさせるのは本当に凄いこと。
色んなハイクオリティなゲームを体験したユーザーは眼が肥えているわけで、
ちゃんと2019年のゲームになってるから、「いつもの面白さ」を感じることができる。
同じ3Dアクションでも、視点などの基本システムを旧作から一新したゴットオブウォーとは対象的に、DMC5はあえてのオールドスタイルを貫く。
昔ながらのゲームデザインを継承しているので、やってることは「DMC3、4」あたりと大して変わらない。
ゲームデザインはそのままに、
グラフィックと演出の進化で「質」を、後述するアクションの自由度で「量」を格段に進化させた。
その質×量の進化によって、ちゃんと2019年のゲームに仕上がっている。
そのためシリーズファンだけでなく、新規プレイヤーまで満足させる出来。
ただ、
ミッション選択、ムービー、アップグレード画面の前後にけっこう長めのロードが入る。これはゲーム中で唯一、プレイのテンポを損ねている要素。
特にアップグレード画面に移行するときにロードが入るのは不満。
このロードが嫌でアップグレードを後回しにしたくなるほど気になる。
ここは技術的にガチで古臭い。
リブート作「DmC」はワイヤーアクションのようなパルクール移動で、移動のダルさを解消していた。
DMC5は広いフィールドを、けっこう遅めの走りで移動するスタイルに戻っている。
引きの視点で足場を渡っていく場面は、懐かしい印象を受ける。
一方でグラフィックは大きく変わった。
「バイオ7」や「バイオRE:2」のグラフィックエンジン「REエンジン」を採用。
フォトリアルでこってりとした濃厚な質感と、DMCの世界観の相性が意外なほど良い。
暗い場所が多いのと、室内やグロい肉塊の背景に上手くハマってる。
ハチャメチャなアニメーションで派手なことをやってるのに、どこか上質な印象があるので安っぽさが無い。
ほんと自社製エンジンって大事だなーと思う。
あらすじ&キャラ紹介
■あらすじ
「DMC4」から数年後。
ネロは何者かにワンパンで悪魔の右腕を奪われてしまう。
その後、
ダンテは謎の男「V」から魔王「ユリゼン」討伐の依頼を受ける。
ダンテはレディ、トリッシュと共に3人でユリゼンのもとへ向かう。
ところが、途中ネロも合流するがユリゼンに全く歯が立たない。
その場はダンテがオトリになり、ネロとVは脱出。ダンテ達3人は消息不明。
その後、都市に巨大な樹木が出現。
根によって街はボロボロに。
それから一ヶ月後。
ネロは武器アーティストのニコが作った義手「デビルブレイカー」を装備し、Vと共に再びユリゼンのもとへ向かう。
新キャラ「V」(ブイ)
ダンテやネロ達とは違う、
ローテンションでスタイリッシュな男。
魔獣「シャドウ」「グリフォン」「ナイトメア」を従えている。
素性はいっさい不明。
魔獣3体が従ってる理由も不明。
まさかの遠隔操作タイプ。
魔獣に攻撃してもらって本人は逃げ回る。
トドメだけは本人が決める必要がある。
瀕死の敵の元へかっ飛んで、ガキーン!と決める。
ゲーム中では非力で強敵に背を向けて逃げ出す弱キャラ扱いだが、使うと鬼のように強い。
□△連打しながら逃げ回るだけで安定。
2体同時攻撃で手数が多く、逃げ回れば敵の攻撃などそうそう当たるものではないのでコンボが途切れない。
そのうち溜まったトリガーゲージでナイトメアを召喚、なぎ払いビーム撃てばみんな瀕死。
□△連打がメインで、ネロとダンテに比べると操作感は単調だが、トドメを刺すときの気持ちよさは格別。他キャラとは違う爽快感がある。
あと、サーフィンのような高速移動が快適。
ちなみに、
シャドウは初代で苦戦した初見殺しの黒ヒョウ。
グリフォンも初代に登場した猛禽類の鳥。でもサイズ感と性格が別物。
ナイトメアもマレット島で悪夢を見せてくれたあの強敵。
今回はゴーレムのような姿で登場する。
ナイトメアの悪夢を見たい方はこちら↓
「ダンテ」
ラフな髪型と無精ヒゲで渋い。
おっさんだが「DMC2」の無口なおっさんとは違う。
「初代のダンテが年をとったらこんなかっけーオヤジになるんだろうなー」と思えるイメージ通りのおっさん。
美女に囲まれて相変わらず不敵な軽口をたたく姿はまさにダンテ。
この後どうなったら無口ダンテになるんだ?↓
「ネロ」
無鉄砲で青臭いキャラ担当。
ダンテに「足手まとい」と言われて戦線離脱した後、義手をつけてダンテを倒した相手に戦いを挑み、やはり手も足も出ずに敗北。
無鉄砲すぎる。
フィールド上にデビルブレイカーが落ちている理由は謎。
ネロのジャケット欲しい。
「ニコ」
ネロの剣や腕を作った武器アーティスト。
とにかく口と態度が悪い。
でも命がけで行動してくれるツンデレ。
世間がうるさいこのご時世に怯むことなくタバコを吸いまくるのがナイス。
「ユリゼン」
最初にプレイヤーへ絶望感を植えつける。
イカついラスボス臭ただよう見た目がなんだか古臭い。昔のRPGのボスみたい。
本当にコイツがラスボスなのか?
オンライン要素は申し訳程度
「シェアードシングルプレイ」
ステージ攻略中に遠くのエリアで他プレイヤーが戦っている様子が見える。
「ダークソウル」と近いシステム。
しかし、
自分の場合、他人のプレイなんて見てるヒマはなかったので一度も他プレイヤーを見た覚えがない。
シングルプレイ特化の作りだと思った方が良いかも。
ミッション7、13は共闘(CO-OP)可能っぽい。
シリーズ最高の質×量
ジェットコースター的なストーリー
キャラを変えながら時系列を行ったり来たりでストーリーが進行。
1人の視点で展開するシナリオだと中盤で中だるみしがち。
対してDMC5は3人のキャラそれぞれの美味しい場面だけをくっつけたような構成で、間延びせずめまぐるしく展開する。
「最初からクライマックス」な場面でゲームが始まるのが象徴的。
シナリオ自体は実はシンプルで、ときにハチャメチャ。
都合良すぎな場面もある。
みんな勝算もないのに、手も足も出ずにボコられた奴のもとへまた突っ込んでいくのが疑問。
終盤の展開はかなりぶっ飛んでる。
「FF7アドベントチルドレン」を思い出した。
とはいえ、
じっくりシナリオで魅せるというより、ジェットコースター的にハイテンションで駆け抜ける感じ。
シナリオの粗さに突っ込むのは野暮という気がしてくる。
女性キャラが2人とも裸で登場する演出がスタイリッシュで良かった。
1周クリアは10時間ぐらい。
美味しい部分を凝縮し、「太く短い」作りを徹底してこのボリュームは凄い。
ほぼ全てミッションにボスが登場する。
最初から最後まで密度が高い。
旧作のような謎解き要素は無い。
地形はそれなりに複雑な場所があるけど、L3長押しで順路の方に向いてくれる。
迷うことはないのでテンポ良く進める。
この密度で駆け抜ける10時間はお腹いっぱい。
むしろ、ちょっと多いと思ったほど。
使い切れないほど豊富なアクション
とにかくアクションが豊富。
ネロのデビルブレイカーが11種類(DLC込み)の時点でちょっと引く。
さらに銃タメ、イグニションでアクセントをつけながら立ち回るので忙しい。
中盤に操作可能になるダンテはもっとエグい。
個性が強い複数の武器を、銃・近接それぞれ切り替え、さらに4つスタイルを切り替えて変化をつける。
1つ1つの武器も凝っており、例えば格闘武器はボクサー・キックタイプの切り替えが可能。
こんな具合で、最初からついていけないほど要素が多いのに、ストーリー進行に応じてどんどんアクションが追加される。
とても1周では使い切れない。
プレイヤーは最後まで動きを探るのに必死なので、手慣れで流せる戦いが無い。
そのため嫌でもテンション高めでプレイすることになる。
「DMC5」はチュートリアル通りにプレイするゲームではない、
やりたいことをやるゲーム。
まともにアクションを全部使いこなそうとするとシンドイ。
完璧主義は捨てて「あ、この動き強そう」「この技とこの技のつながりが良いな」って感じで少しずつ上達を楽しんでいくのが良さそう。
自分の場合、レッドオーブ何万も使って買ったのに使ってないスキルが山ほどある。
そんなテキトーな買い方でもレッドオーブが足りなくて困ることはまず無いので、気軽に買えばOK。
ミッション13を回せばいくらでも稼げるし。
難易度デビルハンター(ノーマル)でクリア。
苦戦したのは序盤に登場するゴリアテとラスボスぐらいだったので、たぶん誰でもクリアは可能。
どれだけスタイリッシュに立ち回れるかが腕の見せどころ。
コンボをつなぐとランクが上がる見返りがあるのでやりがいがある。
危険な場面でもついランクを上げたくなるので、焦って攻撃して被弾しがち。
基本的に避けながらヒットアンドアウェイで安定するけど、ランクを意識するのでそれだけでは終わらない。
プレイヤーがリスクを負ってでも積極的に動きたくなる、上手い仕組みになっている。
■復活システムについて
簡単に復活できるのでスタイリッシュに動けなくてもゴリ押し可能。
復活で消費するものを、
・レッドオーブ(資金にあたる)
・ゴールドオーブ(アイテム)
の2種類から選ぶ。
レッドオーブ復活は体力量を3種類から選べる。
1回使うごとに全種類の値段が跳ね上がるが、ミッションが終われば値段リセット。
ゴールドオーブ復活は体力・トリガー全回復。
アイテムとして売っており、値段が安い。
値上がり幅も少ないので気軽に買える。
フィールド上にも落ちてる。
注意すべきなのは、
使ったレッド・ゴールドオーブはミッションをリセットしても戻らない。
そのため、使ったからにはクリアしないと使い損になる。
体力半分も減らせないような強敵相手には、パターンを覚えて勝算が見えるまでリトライは温存したいところ。
まとめ
グラフィックの進化、ステージの密度で期待にしっかりこたえる出来。
その上で、アクションの自由度は想像を超えてきた。
毎回、見たことも無いような敵とボスが出てきて、使い切れないほど豊富なアクションで斬りまくる。
斬新さや衝撃的な体験はないものの、
細かい話は抜きでとにかく楽しい作品。
春休みの空いた時間に、コントローラーのボタン押しまくってゲームに没頭したい人におすすめ。
ちなみに、
シリーズおなじみのやり込みモード「ブラッディパレス」は4月の無料アップデートで追加予定。長く遊べそう。
DMCシリーズまとめ↓