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F-ZERO【感想/評価】500km/hでかっ飛ばす反重力レース

投稿日:2019-11-29 更新日:

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「F-ZERO」ってどんなゲーム?

「F-ZERO」とは、500km/hでかっ飛ばす圧倒的スピード感が売りのレースゲームです。

「スーパーマリオワールド」と並ぶ、スーパーファミコン(SFC)のローンチ(本体と同時発売)タイトル。1990/11/21発売。
国内売上90万本の大ヒット作です。

ローンチタイトルでマリオワールド(国内売上355万本)とF-ZEROの双璧は強い。
SFCは約束された勝ちハードといえます。

 

2Dアクションの正統進化型を見せるマリオワールドに対し、本作はSFCならではの新機能をアピールします。

疑似3Dグラフィック(後述)により、「SFCはファミコンとは違う表現ができる」ことをプレイヤーと開発者に強く印象づけました。

本作の影響で、遠景に拡大縮小でパースをかける表現が広まったらしい。(FFⅣの飛空艇のシーン等)

 

画期的な疑似3Dグラフィック

疑似3Dグラフィックが画期的です。

それまでの疑似3Dゲームは縦ラスター(ライン)スクロール※が主流で、「アウトラン」のように直線をひた走るものばかりでした。

※各ラインを縦方向にスクロールし、画像を縦方向に伸縮させる

対して本作はSFCの回転・拡大・縮小機能をフル活用。
背景を全方向へ動かすことが可能になり、直角やヘアピンカーブがある自由なレイアウトの周回コースが実現しました。
自機の動きも自由なので逆走可能です。

 

未来的デザイン

「26世紀の未来で繰り広げられる、高空に設置されたコースを超スピードで走る反重力レース」

この斬新な未来的デザインはハードの制約によって生まれました。

・ドットパターンを減らすため、宙に浮くマシンにしてタイヤ省略

・建物を立体で描けないからコースも宙に浮く設定にして上空視点にしちゃう

・カーブの絵も省略したいから、コース端に円形を並べて「ガードビーム」と呼ぶ

こうして制約に合わせた工夫の結果です。

コース脇の丸に接触し、電撃のようなエフェクトでダメージを受ける描写も妙にしっくりくる。
苦し紛れとは思えないほど表現に説得力がある。

 

制約によって余計な部分を削り落とされ、美しく完成度されたゲームといえます。

制約がなければこのデザインは無かったわけで、斬新な表現は制約から生まれることがわかります。
仕事で何か厳しい制約があったときは、ピンチと思わずチャンスと捉えると良いかもしれません。

同じ疑似3Dでも「スーパーマリオカート」より断然しっくりきます。

というのも、マリカーは「これは立体。わかるよね?」って感じで障害物が置いてあるから。
立体を描けない問題を暗黙の了解として割り切った。

その点、制約を逆手にとってデザインに昇華した本作は美しい。

シンプルな面白さ

シンプルな操作、シンプルな面白さ。

「アクセルワーク+左右スライド」のシンプルな操作性が、圧倒的スピード感と噛み合って気持ちいい。

画像では道幅が広くて単調に見えるかもしれません。
でも実際にプレイすると常に緊張感があります。

 

自機が速すぎて、油断すればすぐ壁やギミックに接触してしまう。
受けたダメージが限界を超えると即リタイア、落とし穴に落ちると1発リタイア。

焦ってスピードを上げれば制御が難しくなり、壁にぶつかって跳ね返りまた壁に当たり…とダメージを受けるリスクが高まる。
ペースを落とせば足切りされる。

 

ステージギミックも厄介です。

コースによってはフオ~フオ~と左右から風が吹き付けておりマシンがジグザグに押される。
線上に配置されたマグネットは機体が吸い寄せられて電撃ビリビリ。

コースの難度が上がると、複合コーナーに地雷やら落とし穴やらで完走すら困難です。

 

圧倒的スピードの爽快感とダメージコントロールの緊張感のせめぎあいで一瞬も気が抜けません。

この面白さは画像やプレイ動画では伝わらない。
今プレイしても驚くほど、シンプルに完成されたゲームです。

マシンは4種類。性能差があります。
とりあえず1番下のファイヤースティングレイがおすすめ。

 

グランプリは「ナイト、クイーン、キング」の3つで、各リーグに5コース。

難易度はビギナー、スタンダード、エキスパートの3つから選択します。
エキスパートをクリアしたリーグのみ最高難易度マスターを選択可能。

難易度の変化はCPUの最高速のみ。
インチキCPU補正で挙動がプレイヤー機と別物です。しかも後続CPUを突き放すと自機近くまでワープします。

クイーン、キングは難易度ビギナーで十分難しいので、まずビギナーで3リーグ制覇を目指すと良いかと。

まとめ

美しい未来の景色を爽快なスピードでかっ飛ばす。

ハードの制約によりムダな部分を削ぎ落とし、美しく完成されたゲームです。
これ以上、足すことも引くことも無い。
どうりでシリーズ作品に恵まれないわけだと納得しました。

現在でも唯一無二の面白さがあるのでぜひ。

 

制作陣自ら「F-Zero」後継者を自負する史上最速レースゲーム↓







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