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アウトラン【感想/評価】セガの青色は青空の青

投稿日:2019-11-29 更新日:

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「アウトラン」ってどんなゲーム?

「アウトラン」はセガのアーケードレースゲーム。1986年稼働。

舞台はヨーロッパっぽい公道。
自車のモチーフはあのフェラーリ・テスタロッサ。

大画面&スピーカーに加え、可動する大型筐体を採用。
ハンドル操作に合わせて筐体が左右に動き、クラッシュ時には振動するのだとか。

ディレクターはあの鈴木裕※さん。
(※「バーチャファイター」「シェンムー」の生みの親)

 

当時の2D表現を突き詰めた、美しいグラフィックが特徴です。

景色がチカチカと流れる独特のスピード表現は見応えあり。
クラッシュすると300km/hで助手席の彼女と一緒に地面に投げ出されます。

操作は「アクセル、ブレーキ、2段シフト」とシンプル。
挙動は素直。アクセル・ブレーキの速度調整でコントロールできます。

 

全5ステージ、15コース。

制限時間内にチェックポイントを通過できないとゲームオーバー。
コンティニュー無しの一発勝負です。

海岸、遺跡、砂漠、夕暮れなどロケーションは多種多様。
クリア後も他ルートも走ってみたいと思わせる魅力があります。

 

史上初のドライブゲーム

本作はゲーム史に名を刻む名作といわれています。

その理由は、「史上初のドライブゲーム」といえる作品だから。

当時、車ゲーはサーキットで順位を競うものしかありませんでした。
対して本作は、美しく描かれた公道を景色を楽しみながらひた走る「ドライブゲーム」として作られたのが画期的です。

制限時間内にチェックポイントを通過するシステムは従来通り。
その上で、分岐の自由度があります。

1ステージごとに左右の分岐があり、プレーヤーが自由に選択可能。
コース分岐は「ダライアス」※のような樹形図状に広がります。
(※ダライアスは1987年稼働なので、むしろ本作が元ネタ)

ステージの移行はシームレス。
徐々に景色が変化する演出が美しい。

この自由度は当時に画期的だったのはもちろん、今プレイしても目新しい。
美しい景色と相まって従来のレースゲームとは別次元の開放感があります。

 

音楽もドライブゲームにふさわしく、5分フルで聴かせます。
最後まで走りきればちょうどフルで聞ける仕様。

ゲームBGMといえば短いフレーズのループが当たり前だった当時、これも画期的です。

ルートだけでなくBGMも選択可能。

・MAGICAL SOUND SHOWER
・SPLASH WAVE
・PASSING BREEZE
3曲いずれも名曲です。

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上記の仕様により、2D版「首都高バトル」「ニードフォースピード」って感じの開放感があります。
史上初のドライブゲームといわれるのも納得。

そんな本作はストイックなゲーマーから車好きの心までキャッチして世界中で大ヒット。
当時のセガは間違いなく世界最先端のゲームを作っていました。

 

サターン版のみ完全移植

PCエンジン、メガドライブ、サターン、PS2、3DS、Switchに移植されています。
その他、「シェンムー」や「龍が如く」のゲーム内ミニゲームにも登場。

今なら3DSかSwitch版が遊びやすいでしょう。
ただし、どちらの自車デザインも権利の関係で別物。
PS2版はポリゴンでリメイク&自車デザインが別物です。

サターン以前のハードは性能が足りないため劣化移植。

よって、完全移植ならサターン版一択です。
オリジナルのテスタロッサに乗れるのはサターン版だけ!

サターン版は追加機能が盛り沢山で、オリジナルを超えたと一品と評価されています。

追加要素は以下。

・国内・海外バージョンを選択可能
・「エキストライージー」
・オートマ
・隠しモード「スムースモード」
(オリジナルの30fpsを60fpsにする)
・グリップ力向上機能

 

完全移植とはいえ、サターンパッドはデジタル操作。オリジナルのハンドル操作と感触が違います。
セガマルチコントローラー(マルコン)ならアナログ操作できるので、本物にこだわる方はマルコンもセットで。

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プレイした感想:難しい!

当時のアーケードゲームらしく難易度が高い。

私は難易度ノーマルを諦めてイージーでクリアしました。イージーでもゲキムズ。

 

少しでもミスるとタイムロスが後に響いてクリア不可能になります。
難易度ノーマルだとクラッシュ1回でタイムオーバー必至。

ステージ1から緊張感が半端じゃない。
最初からコースを左右に振って看板にぶつけにくる。

中盤以降、アップダウンで見通しが悪くなってからのいきなりカーブ。
右に振ってから左急カーブで少しでも反応遅れると看板直行。

完全に殺しにくるため初見では厳しい。覚えゲーです。

左(上ルート)が簡単で右(下ルート)が難しいらしい。

最終ステージごとにエンディングが違います。下ルートの方が扱いが良い気が。

 

一般車の配置はランダムなので、コースを覚えても毎回気が抜けません。

他車は嫌らしく幅寄せしてきます。ぶつかるとスピンでコースアウト。
車の処理に集中するとコース脇に追いやられてコースアウト。

ステージが進むと交通量が増え、後半は「ディーフェンス!ディーフェンス!!」とラグビーのように自車が取り囲まれます。

他車は横に並んだ瞬間に消えて判定も無くなるのが救い。
後ろから追突されたり、横から押されたりすることはありません。

 

この難しさ、アーケードなら100円を瞬時に吸い込みます。
大型筐体でコストがかかっているだけあり回転が良い。
メーカー側、ゲーセン側から見ても名作といえます。

 

まとめ:セガの青色は青空の青

本作によりセガのゲームといえば青空の開放的なイメージが定着したとのこと。

緻密に描かれた2Dグラフィックは今見ても美しく、魅力的。
1ミスも許さない難易度は、古き良き昔のアーケードゲームらしい。

開放感と歯ごたえを両方サクッと味わえる名作です。

家庭用筐体もあるよ↓
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