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パイロットウイングス【評価/感想】お前はそれでも空の男か!

投稿日:2019-04-03 更新日:






「30年前に48万本売れた、スカイスポーツの3Dシミュレーターゲーム」
そんなゲームあらへんやろ。

いえ、あるんです!

そんな画期的作品を紹介します。



パイロットウイングスってどんなゲーム?

パイロットウイングスはスカイスポーツ・シミュレーションゲーム。
飛行機やスカイダイビングなど、空飛ぶスポーツを楽しめます。

スーパーファミコン(SFC)で1990/12/21発売。
本体発売は1990/11/21からちょうど1ヶ月後の、ほぼロンチ(本体同時発売)タイトルです。

 

最大の特徴は、SFCの回転・拡大・縮小機能をフル活用した疑似3D表現。
「F-ZERO」以上に「新ハードではこんなことができる」とSFCの可能性を見せつけました。

1995年当時、友達の家でプレイして衝撃を受けたのを覚えています。
5年前にこんなゲームが出ていたのかと、信じられませんでした。

 

プロデューサーはあの宮本茂&横井軍平。
任天堂2大巨頭コラボで実現した作品です。

宮本茂さんは「マリオ」「ゼルダ」その他ヒット作多数の生みの親。現在は任天堂の代表取締役フェロー。

横井軍平さんは「ゲームボーイ」「十字キー」を生み出した伝説の開発者。
ゲーム会社として任天堂を成長させた立役者であり、宮本茂さんの師匠的存在です。

 

BGMを手がけたのは「スーパーマリオブラザーズ」の近藤浩治、「シムシティー」「スーパーマリオカート」の岡素世。

吹奏楽器のような優雅な音色は、激しさはないのに妙に耳に残ります。
清々しい空を舞台にしたスカイスポーツにぴったり。

シリーズ続編のBGMは両者が手がけていないため「なんか違う」と一部のファンに不評です。

国内売上は約48万本、世界累計約114万本。

同時期に発売されたロンチタイトル2本に比べると影が薄いです。

・「スーパーマリオワールド」(国内約355万本、世界累計約2061万本)
・「F-ZERO」(国内売上90万本)

本作と同日発売の「グラディウスIII」も強敵。

内容は全く引けを取らないだけに、不遇の作品といえます。

 

4種+αのスカイスポーツ

テーマは「空を楽しむ」。

教習所「フライトクラブ」に入って試験を受けます。

4種+αのスカイスポーツごとに、
・リングやバーをくぐった数
・滞空時間
・着地位置
などによりスコアが100点満点の減点方式で採点されます。

 

採点方式×リアル挙動は、「グランツーリスモ」「エアロダンシング」などシュミュレーター系ゲームの先駆け。

操作すれば立体的な慣性や揚力を感じ、見た目のみならず感覚まで3D空間を再現したセンス&技術に驚愕します。

粗いグラフィックのせいで距離感がわかりにくいのが絶妙にもどかしい。
「あと1mmじゃねーか!クソォ!もう一回やってやる!」
と何度もプレイしてしまう。

コツがあるはず、次は上手くいくはず、と思わせる中毒性があります。

 

以下、4種+αのスカイスポーツを紹介します。
どれも一筋縄ではいかない独特の難しさ。

 

ライトプレーン

レシプロ複葉機で基地の周りを飛んでから着陸します。

スピードを上げると上昇しスピードを落とすと降下する、揚力の表現が楽しい。

着地する一瞬が最大の勝負どころ。
速度や角度がシビアで、結構いけそうな感じでも大破します。

 

スカイダイビング

空中のリングをくぐって降下しパラシュートを展開、地上ターゲットへの着地を目指します。

ビュウビュウと鳴る風切り音に臨場感があり、簡素なグラフィックなのに落下のスピード感が凄い。

操作と動きのタイムラグが大きく慣性が強烈で、姿勢制御が絶妙にもどかしい。

パラシュートを開かずに落下すると地面に人型の穴が。
テーテーテテッテー♪と情けない音楽が鳴り、教官に「わざとやってませんか。」と厳しく怒られます。
こういったギャグ要素もキラリと光る作品です。

 

スカイダイビングとロケットベルトは、規定とは別の「ボーナスターゲット」着地のやりこみ要素があります。

プールや海上を高速で移動するターゲットに着地成功すれば問答無用で100点。
さらにボーナスステージで追加50点のチャンス。

ボーナスステージではスカイスポーツの域を超えた超人的競技に挑みます。

ペンギンの着ぐるみを着て高度300mからプールに飛び込んだり、カモメのような翼をつけてトランポリンで大ジャンプして足場をわたったり。

 

ロケットベルト

ロケットベルトでは、誰もが一度は夢見た空中飛行ガジェットのバックパック型ロケットを背負って飛行します。

強・弱噴射を使い分けてリングかポールにタッチ。
本作ならではの立体的な空間&慣性をフルに楽しめます。

 

ハンググライダー

ハンググライダーを駆り、上昇気流に乗って規定高度に達した後ターゲットへの着地を目指します。

ゆったりとした操作感と優雅な音楽が心地良い。

 

ネタバレ:疑惑のエンディング

教習所で試験を受けるゲームかと思いきや、終盤にとんでもない展開があります。

以下、ネタバレあり。

 

エリア4をクリアした後、「極秘指令」が発令されます。

導入がそれまでのエリア紹介ではなく、真っ赤な画面に攻撃用ヘリコプターのシルエット。
空を楽しむ雰囲気が一変、物々しい雰囲気に。

そして、いつものサングラスを外した黒田教官が突拍子もないことを言い始めます。

「教官の3人が麻薬シンジケートに捕らえられたのだ!」

救出作戦を断ると、「お前はそれでも空の男か!」「麻薬シンジケートの奴らなど怖くはないだろう!」と怒られます。

いや俺、ヘリ講習受けてないし。

しつこく拒否すると新たな選択肢「お前が行け」が出現。
選択すると、黒田は単車の免許しか持っていないから行けないと断られます。

お前、空の男じゃねーのかよ。

 

出撃すると、ゼビウスみたいな縦スクロールSTGが始まります。

一撃被弾でゲームオーバー。
とはいえ敵の砲撃はまばらで余裕です。

「試験クリアしたプレイヤーへのご褒美的なミニゲームなのかな」
と思っていると…

 

目的地のヘリポートが敵基地のど真ん中!

道中から一転して砲撃の嵐。
スピードを落としてちんたらしてるとあっという間に撃ち落とされます。

 

目的地上空からが本番で、本番は縦スクロールSTGとは全然違います。

360°移動・視点回転する上に高度が絡む。
立体的に軸が斜めにズレる感じなので攻撃を当てづらく、敵の弾道は予測困難で避けづらい。

多数の隠し砲台を覚えつつ、トライ&エラーでルートを組み立てる死にゲー状態です。

 

ヘリポートの周りにいやらしく設置された池も厄介。
ここで行くしかねぇ!と覚悟を決めたプレイヤーを飲み込みます。

 

極秘指令をクリアすると、いわゆる2周目の「EXPERT」が遊べます。

EXPERTは全エリアが以下のように高難度化。

・地上スレスレだったりグニャグニャに振ってきたりで通過が難しい飛行ルート
・やっかいな天候悪化ギミック

1周目のエリア1にあたる、エリア5がさっそく難しい。
強風であおられ、滑走路には乗ると飛行機が大破する雪が。

その後も、大雨・強風、夜間で視界不良といった厄介な試験が続きます。

 

EXPERTの最後、エリア8クリア後に2週目ヘリミッション「極秘指令2」がスタート。

前回と同じ組織に黒田の兄が拉致されたらしい。
黒田は開き直り、「もうわかっているだろうが」とメタ的なことを言います。

 

2周目は夜間。
ヘリのサーチライトと、敵砲台やヘリポートの光が頼りです。
むしろ昼間より見やすいかも。

砲台の数が2倍なのが問題です。

潰し方が甘いと砲撃の嵐にさらされて着陸できません。
1周目をはるかに超える死にゲー。

 

2周目クリア後、ようやくエンディングです。
主人公の授賞式が描かれます。

…なんだか様子がオカシイ。
雰囲気が完全にミリタリーです。空を楽しむ教習所の面影がない。

教官3名込みの参列者は全員軍服。
勇ましいマーチの中、歩む主人公。
最後は黒田教官に敬礼して「完」。

フライトクラブとは教習所に見せかけた軍事養成施設だったのか?

空を楽しむつもりで入会したプレイヤーにとってショッキングな結末です。

 

ゲーム開始時に表示されるフライトクラブ 入会案内。
クリア後に見ると最後の「…。」が意味深です。

 

まとめ

・3D空間の表現
・スカイポーツ
・リアル系挙動

シュミュレーター系ゲームの先駆けであり、ゲームとして文句なしに面白い。

教官キャラの味付け、
失敗演出のギャグ要素、
エンディングの謎展開もアクセントとして効いています。

「ゲーム」の面白さを凝縮した名作。
Nintendo Switch Onlineでも遊べるのでぜひ。







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