RPG感覚でフィールドを移動し、監督・選手をレベルアップさせる。
そんなシステムで世界初、唯一の「サッカーRPG」を謳っている作品です。
結論をいうと、「サッカーRPG」なんてジャンルは存在しませんでした。
無性に「サカつく」が遊びたくなる一作です。
その理由を簡単に解説します。
サクっと読めますのでぜひご一読を。
世界初、サッカーRPGとは
まず「サッカーRPGって何?」って話。
プレイした僕にもよくわかりません。
ざっと特徴をあげると、
・ポリゴンキャラで移動するプリレンダCG背景のフィールドマップがある
「FF7」「サガフロンティア」みたいなプリレンダCG背景は、たしかに当時のRPGっぽい。
日本だけでなく世界各国のマップがあり、ワクワクします。
実はどこも同じ施設があるだけなので特に意味がありません。
ショップの品揃えが多少違うのと、各地に有名選手が散らばっているだけ。
・監督&選手は試合で得た経験値によるレベルアップで成長
試合の相手はザコ敵。ザコを倒して経験値を稼ぐのだ!
強いザコほど経験値が多いので、なるべく世界ランクが高い相手との試合をスケジュールに組み込みたいところ。
練習では成長しません。
疲労を考えながらトレーニングメニューを組むとか、そういう要素は潔くカット。
個別練習は可能。ただ、1人の練習が終わるたびに次の選手を指名する仕様が面倒くさい。
試合中画面は実況つきでなかなかの作り込み。
でも早送りや途中スキップが無いためまず見ません。リザルト画面一択です。
・年俸の管理、街の発展など経営要素もカット
国の代表監督ということで、経営要素も省略。
年俸管理しなくても良いのは楽です。
僕は「つくろう」シリーズの年俸管理が大の苦手なので。
メンバー何十人と交渉するのが面倒くさすぎるし、言い値で受けると年俸ハネ上がるし。
ただし、本作も結局は金です。金で貢献する必要があります。
ウィンスロー財団に何億と寄付し、その貢献が十分ならいくつかの施設をアップグレード可能。
貢献が足りないと「人気・技術が足りないからムリ」と断られます。
貢献の目標値がわからないのが不親切。断られるとその週は再オファーできず、一週間が無駄になります。
数値が明確な「サカつく」よりややこしい。
難点:無性にサカつくがやりたくなる
本作をプレイすると、無性にサカつくがやりたくなります。
初級トーナメント「ウィンスローカップ」で優勝した後、3年目で飽きました。
このゲーム、RPGを謳うわりにRPG要素が感じられません。
RPGっぽいのは見た目だけ。何を楽しめばいいのか謎な、ジャンル不明の迷作です。
以下、具体的な難点を紹介します。
・フィールドマップが面倒
施設がフィールドマップ上の色んな場所に散っており、移動が面倒です。
エリア移動のショートカットが、ロード画面とエリア内の移動を挟むのも面倒。
同じ移動を毎週繰り返しだからもうしんどい。
フィールドではモブキャラと会話可能。
しかしイベントが発生するわけでもなく監督の仕事と結びつきません。
あと、試合を組んだ週はなぜか1週間を消費する行動ができません。
どこに行っても「試合のある週ですよ、スタジアムに連れて行きましょうか?」と言われて強制連行されます。
送ってくれるのは親切な一方、「いったい何のためにフィールドを移動してるんだよ…」と根本的な部分が不親切に感じます。
全てメニュー画面から全て管理できる「つくろう」シリーズの良さに気づいてしまう。
・育成の醍醐味カット
育成面は、監督・選手の成長がレベル制になっただけで結局やることは「つくろう」シリーズと同じ。
というか「つくろう」の育成で面白い部分がカットされています。
やっぱりキャンプ組んで特殊練習したり、コーチやスカウトを変えたりしたいんですよ。本作では何もできません。
総じてゲームを構成要素がチグハグ。
全てが中途半端に感じるため、
・なぜ監督ゲーでRPGみたいなフィールド移動やレベル上げを強いられるんだ
・なぜRPGで監督ゲーみたいなことをしなきゃいけないんだ
とダブルで不満を感じます。
結果、本作をプレイすると無性にサカつくがやりたくなる。
ここまで読んだ方は、
「いや年俸管理とかが苦手って言ってたじゃん。無い方が良いんじゃないの?」
と突っ込んだかもしれません。
たしかにその通りです。
でも、面倒は嫌だけどそれらしいことはしたい。プレイヤーはわがままなんです!
まとめ:素直にサカつくをやろう
面白味をカットされた上に3倍に薄められたサカつく。
本作をプレイする前の自分に「素直にサカつくをやれ」と伝えたいです。
「世界初のサッカーRPG」というからには、もっとRPG要素に振り切ってほしかった。
パーティーを組んでダンジョン探索しながら選手を集めるとか (笑)