Blasphemous (ブラスフェマス)ってどんなゲーム?
Blasphemous (ブラスフェマス)は、高難易度メトロイドヴァニア※。
※ゲーム用語集。
2019/9/10、Steam発のインディーズゲームです。
世界観はダークゴシックで退廃的。
雰囲気重視。ストーリーも台詞もなんだかよくわからない。
動きはもっさりで被ダメージが大きい。
総じて、2D版ダークソウルと評判です。
特筆すべきはグラフィック。
画の力が凄い。
徹底して作り込まれたドット絵には一縷のスキもありません。
画のパワーがあまりにも強すぎて、これ系のゲームがわりとイケる口の私も滅入ってきました。
この世界に似つかわしくない女の子だぁ~!
と喜んだのも束の間、なんだか見覚えのある太ももです。
『Bloodstained Ritual of the Night』コラボのミリアムでした。
コラボステージではめちゃくちゃシビアなアクションを強いられるため、どんな敵よりミリアムが鬼に見えます。
感想:即死×戻し×不自由アクション
メトロイドヴァニアは好きです。
手軽にサクサク遊べて、テンポ良く達成感と満足感を味わえるので“時間コスパ”が高いジャンルだと思います。
近年では「ender lilies」「bloodstained: ritual of the night」が特に良作でハマりました。
そんな私も本作はキツかった。
これ、メトロイドヴァニアというより高難度レトロアクションです。
ザコ・ボス戦や探索は二の次。
・針&穴の即死
・不親切なセーブポイントによる“戻し”
この掛け算がメインです。
例えるなら、戻し作業でリトライのハードルを上げまくったロックマン。
その上でロックマンより攻略の幅が少なく、工夫の余地が無い。
今どきのメトロイドヴァニアだと思って買ったら、とんでもない高難度レトロゲーをつかまされた気分です。
以下、レトロゲーをつかまされた気分になった理由を詳しく語ります。
即死
探索する上で最大の敵は、ザコ敵ではなく穴&針。即死します。
頻度が多い上、
・足場が狭い、滑る、崩れる
・はしごや足場の判定が薄い
・レスポンス悪いから入力ミスる※
よって初見で回避困難な場所がほとんど。てか何回やっても事故る。
フロア端の穴も即死判定なのがなんとも理不尽です。
「さっさと降りて下のフロアに行こー」なノリで落下すると下端で普通に死。
※
・ハシゴや足場のヘリを掴む
・足場に乗る
・壁に剣を突き刺す
何をするにも入力が抜けてミスる予感があり、いちいち緊張します。
昔のアクションゲームや、先行入力が効かない格ゲーみたいなフィーリング。
針・穴のプレッシャーで入力がおぼつかない中、複数の敵に襲われます。
はしごを昇る途中で画面外から弾が飛んでくる。
足場でスタンバイする敵がジャンプを見事に迎撃。
被弾すると吹っ飛び、その先には穴&針が。
「いやいや、それは無いわぁ~」「この配置はアカンやろ……」感がファミコン時代のアクションゲームを彷彿とさせます。
ゲーム開始後20分以内に訪れる山頂墓地が既にエグい。
並のアクションゲームなら終盤に相当します。
戻し
上記のように難度が高いのは別に良いんです。
本当にしんどいのは“戻し”。
まず、セーブポイントが少ないです。1エリアにほぼ1つ。
せっかく先に進んだのにセーブできません。
穴&針であっさり即死するたび難所から遠い場所でリスタートがツラい。
まあそれは我慢します。頑張ります。
セーブポイントでファストトラベルできないのが本当にツラい。
穴&トゲに囲まれたフロアを、もっさり徒歩移動でひたすら右往左往。
具体的には以下のようになります。
①セーブポイントAの先、穴&針が待ち受ける難所を必死で超えてセーブポイントBまで進む
せっかく難所を越えたからBでセーブします。最終セーブのBがリスタート地点になります。
↓
②Bの先は現時点では進めなかったり順路に気づかなかったりで引き返す
仕方ないのでAに戻ろうとします。でもファストトラベルで戻れません。
↓
③「B→難所→A」でAに戻る
必死で超えた難所を逆向きに攻略するハメになります。
せっかく逆向きに越えたのでAでセーブ。
↓
④またBに戻る
「やっぱりBで合ってたわ」と気づくと今度はBに戻れません。
Bに行くため難所をやり直し。
こんな具合で延々と難所を往復させられてツラい。
セーブポイントでファストトラベルできないのは「Bloodstained Ritual of the Night」も同じです。
でも本作の場合、
・移動速度が遅すぎる
・移動性能の強化が一切無い
・穴&針のプレッシャーや移動足場のせいでサクサク進めない
・ファストトラベル部屋が少ない。3エリアに1つぐらい
よって移動する労力の桁が違います。
しかも最後まで楽にならない。
不自由アクション
即死×戻しで右往左往する道中、アクションの自由度が無いです。
ガチガチに固められた攻略を強いられます。
今風のメトロイドヴァニアと違い、自分なりの動きでサクサク進むことを許しません。
ゲームを進めても劣悪な移動力は一切変わらない。
攻撃系も同様で、役に立たない攻撃スキルが揃うだけです。
よって最初から最後まで、リーチ短い剣を振り回しながらもっさり移動するのみ。
動きに自由が無い上、あらゆるギミックの猶予が異様に短いためタイミングにも自由が無いです。
移動足場、雪山の垂直登り。
上から降ってくるマグマや毒液。
謎の光球、電撃、幽霊。
など何もかも猶予が無い。
シビアなギミックにさらされる中、道中に敵がいて問答無益で攻撃されます。
敵の攻撃も絶妙で、切り返す猶予が無い。
攻撃の重ね方もいやらしい。無敵時間切れに重なり連続被弾します。
ファミコン時代の高難度アクションってこんな感じだったな~と、懐かしい気分になりました。
コイツ(焦貌の聖女)の顔は一生忘れません。
自機のクソデカ当たり判定&もっさり挙動に対してこの弾幕。
ちょうど良いリズムで連続被弾します。
高速バラ撒きは回避困難ではなく回避不能。来たら詰む。
細かい難点
・フロア移動のロードがもたつく
これは地味に痛いです。
フロアをまたいでテンポ良く探索するのが楽しいメトロイドヴァニアの醍醐味が半減。戻し作業のストレスは倍増します。
・ボス前デモがカットできない
ボス戦はそれほど難度が高くないのでリトライ回数控えめなのが救い。
・アイテムが骨ばっかり
拾うアイテムが実用性のない骨ばかりでガッカリします。
まとめ
全ての要素が一分の隙もなく世界観を形成する、美しいゲーム。
アート作品として所持したくなる魅力がある。
他では味わえない濃厚すぎる画はもちろん、即死×戻し×不自由な部分も冷酷な世界を表現するのに必要と思えます。
合う人には合うはず。
ファミコン時代のシビアすぎるアクションゲームがイケる方にオススメです。
個人的には、隙の無さが息苦しい。
前述の通り、今どきのメトロイドヴァニアだと思って買ったらとんでもない高難度レトロゲーをつかまされた気分です。
普通に良作メトロイドヴァニアが遊びたい方にはまず『Bloodstained Ritual of the Night 』『ender lilies』をオススメします。