本記事では、悪戦苦闘しながらハードルートクリアした感想をふまえて、
「前作から何が変わった?」
「難しいって聞くけど実際どうなの?」
などの疑問に答えます。
前作は10話ごとに感想記事を作りましたが、本作は重要な点だけざっくり1記事にまとめました。
当記事だけで本作の美味しい部分、見どころがわかるのでぜひご一読を!
前作:スーパーロボット大戦α
スパロボシリーズ:ゲームレビュー記事一覧 (シリーズ別)
もくじ
スパロボα外伝とは
地に足ついたシナリオ
スパロボα外伝とは、前作「α」の好評を受けて開発されたPS最後のスパロボ。
前作の続編です。
外宇宙を含んだ壮大なスケールの前作とは対極的に、手ごろなサイズの地に足ついたシナリオが特徴。
シリーズ初参戦は、
・ザブングル
・ガンダムX
・∀(ターンエー)ガンダム
・ブライガー
・逆襲のシャア小説版 (機体のみ)
ぱっと見、地味です。
シリーズでも例外的に宇宙に行く場面が少なめ。
主に地球が舞台なので地上マップが多い。
宇宙マップは最多でも3回。
ルートによっては一度も通りません。
そんな地に足ついたシナリオは、スーパー系優遇です。
かつてないほどスーパー系キャラにスポットを当てました。
確執や衝突、苦悩をしっかり描いており見ごたえがあります。
いままでは「いるだけ参戦」だった真ゲッター・マジンカイザーにはドラマ的に重要な意味が与えられました。
そのゲッターとマジンガーチームの関係か悪化していき、ついには「究極のゲッターvsマジンガー」という夢(悪夢)の対決が実現!
前作のプレイでは僕のミスで主人公が活躍できなかったのでそのリベンジを、と思ったら本作にはオリジナル主人公がいません。
これもスパロボ系キャラが目立つ要因の1つ。
主人公のかわりにスーパー系の中で冷遇されてきた剣鉄也が主人公ばりの大活躍。
主人公不在は不評だったようで、以降のシリーズ作品には必ずオリジナル主人公が登場します。
戦闘アニメの進化
戦闘アニメが「α」から大幅パワーアップ!
「こんな細かいところ誰が観るんだ?」と思う部分までこだわって作られています。
特に新規参戦組は素晴らしい仕上がり。
「F→α」並の劇的進化を遂げています。
特に目立つのは、
・活躍しないわりに力作の魔装機神
・コミカルな動きのウォーカーマシン
・細かい演出が光る∀ガンダム
これらの機体が各作品の持ち味を活かして魅せます!
オリジナルキャラ「ゼンガー」初登場。
ゼンガーが駆るスレードゲルミルは、近年のスパロボと比べても遜色ない戦闘アニメです。
アニメ的に強調したモーション、残像表現、エフェクト。
たった2種類の武器で、強烈な印象を残します。
この機体はハードルート終盤、味方に加入します。
マジンカイザーのさらに上をいく圧倒的な性能が爽快。
コイツを仲間にするためにハードルートを最後まで頑張る気になるってものです。
既存ユニットもマクロスプラス、ガンダムW系、マジンカイザーや真・ゲッターロボなどの一部武器を描き直し。
マジンガーZ、ダイターン3は立ち絵から全武器を描き直し。
スーパー系敵メカもよく動きます。
機体モデル以外の進化点も多いです。
・攻撃を外したパターン追加
・戦闘アニメ開始時、ユニットが枠外から登場
・ガンダム系大口径ビーム兵器の演出強化
ただの太いビームから、発射からだんだん太くなり、撃ち終わった後は粒子が残ります。
・戦闘台詞パターン追加
前作のキャラも戦闘台詞を新収録。
自機名や因縁の相手を名指しで呼んだり、合体ロボットのパイロット同士の掛け合ったりバラエティ豊か。
・インターミッション用キャラ顔の大半を描き直し
前作であまり似ていなかったキャラが原作の雰囲気に近づきました。
総じて、前作のマイナーチェンジには収まらない、PS2時代に先駆けた進化を遂げています。
気になる点
進化した部分が多い一方、気になる点もあります。
・簡易戦闘アニメまで演出強化でテンポが悪い
・ロード時間が全体的に長い。マップ上では軽い処理落ちが常時発生するのでカーソル、ユニット移動がもっさり
よって、前作の問題点であった移動速度・戦闘アニメのテンポがさらに悪化。
また、本作はバグの多さに定評があります。
・特定ステージで特定の行動をするとフリーズ
何をやってもバグるステージあり。
・機体・パイロットの地形適応をすべてAで計算
地形適応を無視して、優秀な援護・精神コマンドを持つパイロットを乗せた方が強い。
皮肉なことに、バグのおかげでパイロット選択の自由度が高く、サブキャラが活躍できるのでプレイヤーには好評です。
上記の難点により本作の評価は低め。
でもゲーム自体は面白いです。
次は前作からのシステム変更点をチェックしていきます。
前作からのシステム変更点をチェック
システムに多数の追加・調整が入ったので、前作とは勝手が違います。
以下に詳しく書きました。全部覚える必要はないのでざっくりご覧ください。
大まかにいうと、
・新システムの追加と、既存システムの調整
・リアル系パイロットと、精神コマンドの弱体化
・熟練度システムの改善
の3点です。
「パイロットの新スキル」
・「指揮」
持っているユニットの周辺で命中・回避率アップ。
効果は重複しない。指揮持ちは援護を覚えるのが遅いので多く入れると損。
・「援護」
隣接すると支援攻撃・防御が使える。
2流パイロットの援護レベルが高い。1流パイロットは習得しない。
そのため援護を覚えやすい脇役パイロットが活躍できる。
敵の方が援護を有効活用するから困る。
高難度ではボスが援護用ユニットを持ち込んで指揮陣形を組む。
援護防御を崩す手段はマップ兵器のみ。
マップ兵器の重要度がさらに上がった。
・「防御値」
パイロット能力値「反応」を廃止。かわりに能力値「防御」を導入。
防御値が高いキャラほど被ダメージが減る。スーパー系が強い要因のひとつ。
・「成長タイプ」
タイプによって上昇する能力値が異なる。
パイロットごとに「格闘系・万能」「射撃系・回避」などに分類。
調整不足でキャラ格差が激しい。
バグで、大器晩成型はLv100まで成長率が上がらない。
「技能ポイント」
前作の無制限が+50制限に。
全能力(技量・SPi以外)が成長可能になりました。
仕様変更されても、相変わらず問題が多いです。
射撃・格闘ポイントは武器の使い分けがめんどくさい。
防御・回避ポイントは獲得が難しい上、どちらを伸ばしても意味がない。
・防御を稼ぐ→大ダメージを受ける
・回避を稼ぐ→命中率の高い攻撃を回避
どちらも、ユニット強化を控えたほうがポイントを稼ぎやすいという本末転倒。
結局、技能ポイントは以降の作品で廃止。
PP、BPというポイントを任意に振り分ける仕様になりました。
「精神コマンド」
前作から弱体化。
前作の強コマンド「捨て身、復活、激闘、挑発、奇跡、大激励」廃止。
その他の有用なものも、弱体化した上に習得者が減りました。
・魂:攻撃力3倍→2.5倍。習得者は主役級のみ
・戦慄:敵全員の気力10低下→5。習得者は1人のみ
・集中:命中と回避を+30%の消費SP10→15と地味に増加。
さらに、全体的に味方のSPが低め。
細かい調整に思えるけど、精神コマンド弱体化で総火力がガクンと減ります。これが強敵相手に効いてくる。
「熟練度」
隠し扱いで不明瞭、わかりにくくて不評だった熟練度システムが改善。
・選択肢による入手は廃止。1マップにつき1つだけに統一
・前作は複雑だった熟練度によるルート分岐は「イージー・ノーマル・ハード」とシンプルに
・獲得した累計の熟練度が確認できる
このように、わかりやすくなりました。
前作と同じく取得条件は非公開。
でも条件は単純。自力でもわかる範囲です。
ほとんど、
・早解き
・撤退ボス撃墜
・強敵のHPを減らす
のどれか。
強制出撃ユニットの強化が必須だったり、全滅プレイ推奨だったり、相変わらず不親切さはあります。
とはいえ、前作と比べれば大きく改善しました。
真の最終話の第45話「ラグナロク」につながるハードルートに行く条件は、第41話「黒歴史の終焉」後に熟練度33以上。
つまり熟練度を4話中3つ入手する必要があります。けっこう大変。
熟練度を狙うとトライアンドエラーの繰り返し。
プレイ時間が何倍にも伸びて大変です。その分、やりがいがあるともいえます。
初心者にオススメできないスパロボ
システム紹介でお察しの通り、本作はガチで難しい。
高い難易度(+豊富なバグ)で、「F」以降の中で最も「初心者にオススメできないスパロボ」と言われています。
前作はヌルゲーと不満の声もありました。
その声に答えたのか、前作より段違いに難しい。
近年のヌルゲー化したスパロボとは比較にならないほど厳しいバランスです。
「このステージはベストを尽くせばクリアできるかもしれないけど、この先ムリかも…」
と途中でゲームを投げそうになるほど。
イージールートでも後半はノーマルに合流するので結局難しい。
全滅プレイ縛りでクリアするのは、シリーズ経験者でも難しいと思います。
ザコからボスまで全員硬い!
ザコからボスまで全員硬すぎ。
フル改造武器で攻撃して3割削れるぐらい。
しかも本作には2回行動がない上、精神コマンド弱体化により総火力が低いため戦力がすぐ底尽きます。
そんな中、次から次へと押し寄せる敵援軍。
後半のボスキャラは素で強い上に精神コマンド連発。インチキ強いです。
以下、悪戦苦闘したボスを紹介します。
・ネオグランゾン
10話にネオグランゾン。序盤の山場がシリーズ最強ボス!
早くも総力戦です。やたらと難しい1~10話を超えると少し楽になるので頑張りましょう。
・ターンX
中盤の壁となるお兄さん。
ノーマルルートのラスボスより強い。
機体が鬼のように強い上、ギンガナムのパイロット性能は作中2位。
高い命中率の援護つき。ギンガナムも援護持ちなのでザコ・ボスどちらを狙っても援護攻撃を食らいます。
さらにステージに制限ターンつき。
僕は中学生のとき、友達から「PS本体、本作、攻略本」の3点セットを2週間借りました。
もちろん全クリを目指していたけど、ターンXが倒せない間に期日がきて強制回収されました。因縁の強敵です。
・ゴール
最終ルート最初「竜が滅ぶ日」のゴール。
「ド根性・熱血・閃き・必中・鉄壁・」を計4回使います。しかも3・4回目は「魂・狙撃」追加。
もうしつこいのなんのって。無限ループかと思ったほど。
ゼンガー加入前なので、ラスボスより硬く感じます。
・最終話のネオグランゾン
真のラスボス。
精神コマンドてんこ盛りを計5回使います。
まさに総火力との戦い。火力が足りないと詰みます。
グランゾンを囲むメカギルギルガンがすでに硬い。
こいつらに精神コマンドを使うようでは先行きが怪しい。
射程12・超火力・高命中の縮退砲を積極的に使うので、リアル系はもちろん下手するとスーパーロボット系も一撃で落ちます。そのため事故率も高い。
敗北条件が厳しい
後半は敗北条件も厳しいステージの連続。
規定ターン数以内に護衛ザコに囲まれたボスを倒せとか、やたら移動力の高い核ミサイル全部落とせとか。
撃墜するな、HP10%にしろ、母艦が一発でも食らうと即終了、などなど。
厳しすぎる条件ばかり。
いつものようにフル改造エースを単機で突っ込ませるだけではクリアできません。
理不尽に失敗を繰り返して何度も舌打ちがでました。
こんなの、内容を知った上で十分に準備しないとムリじゃないかと。
とにかく、インターミッションでは毎回セーブしましょう。
セーブを疎かにすると取り返しのつかないことになります。
改造すべきユニット
めぼしいユニットは全て改造するので、正直あまり言うことがありません。
とりあえず、シナリオ的にも活躍機会が多いマジンガー、ゲッター。あとはオトリ用ユニットを中心に上げれば間違いないかと。
以下、特に有用なユニットを紹介します。
■ガンダムデスサイズヘルカスタム
ビームシザースが反則級の性能。
移動後射程5・CT補正+50%、消費なしで使い放題。
ザコ処理に最適。
■マジンカイザー
最強のスーパーロボット。
必中・鉄壁・マジンパワー(気力130)で敵陣に突っ込ませて、ターボスマッシャーで反撃すれば無双できます。
マジンガーZはマジンカイザーに改造を引き継がないので注意。
■グレートマジンガー
中盤までのメイン。終盤まで活躍できます。
鉄也はカイザーに乗り換えた方がいいかも。
■真・ゲッターロボ1
最大攻撃力の武器に3人乗りの精神コマンドを乗せるボスキラー。燃費は悪い。
「A-アダプター」をつければ全形態の地形適応が良くなります。
■
コンバトラーV
ボルテスV
ブライガー
合体ユニットは強いです。
スパロボ系優遇に加え、複数パイロットの精神コマンドが使えます。
改造が全武器一括になったので、豊富な武器も活きる。
■フルアーマー百式改
改造を「百式→百式改→フルアーマー百式改」まで引き継ぎ。
百式は改造費が安いので、早めにフル改造するとお得です。
■Zガンダム
1話から終盤まで活躍するので早い段階で改造。
第39話入手の「ウェーブライダー突撃」の威力を上げるために格闘武器も使っておくと良い。
■リ・ガズィ
武器フル改造してパーツ3個つけたらνガンダムより強いです。
アムロはこっちに乗せましょう。
■トーラス
改造すると化けます。
・パーツ4つ
・飛行形態つき
・移動後可で弾数20の武器
もう強い要素しかない。
ゼクスかヒイロを乗せます。
■マップ兵器持ち
ターンA:月光蝶
ゼロカス
ガンダムX
ZZ
フルアーマー百式改
援護防御つきザコを引き連れた強敵には、ザコ削り用のマップ兵器が必須。
上記から数機揃えましょう。
まとめ:ガチ難度のスパロボを楽しむならコレ!
本作以降、作品を重ねるほどシリーズはヌルゲー化します。
歯ごたえのあるスパロボが遊びたい。
でもF以前はリアルロボット優遇とオトリ作戦が強すぎるし戦闘アニメカット不可なので今から遊ぶのはちょっと…
そんな方にα外伝。
Fのように自由度の低い攻略を強いられることはありません。
好みの編成で、全力ぶつけた上でギリギリの勝負が楽しめます。
ガチ難度のスパロボを楽しむなら本作が最高です。
近年のヌルゲースパロボでは物足りない方、ぜひα外伝にチャレンジしてみてください。
ガチゲーマーのあなたを満足させる逸品であることを保証します。