「自由度の高いオープンワールド」といえば、発売から8年たった今でも必ず名前が出る作品。
評価は今でも賛否両論です。
最高のゲームと言う人もいれば、つまらないという人もいる。
評判を見るだけでは何をするゲームなのかもわからない。
そこで本記事では、個人的な感想に基づいて「本作ならではの魅力」を紹介します。
結論をいうと、
「マリカー、スマブラ、スプラみたいな他人と争うゲームは疲れた。ファンタジー世界に引きこもりたい気分。」
そんな方におすすめ。
Special Edition (SE)は次世代機向けリマスター版。
大型DLC3本入りでレジェンダリーエディション (LE)より安い。今買うならSE一択です。
今回プレイしたのはPC版で、本記事の画像は全てグラフィック品質「中」設定。
高性能PCをお持ちの方はグラフィック設定を上げたり、後述する「MOD」を導入したりで、PS4版以上の高画質にできます。
もくじ
永遠に引きこもれる本格ファンタジー
スカイリムとは
スカイリムとはシングルプレイ専用のオープンワールドRPG。2011/11/11発売。
圧倒的な自由度と、作り込まれた世界設定で人気の「The Elder Scrolls」シリーズ第5作。
海外では、神ゲーを超えた超神ゲー評価を受けている歴史的名作です。
90点以上で神ゲーといわれる海外レビューのメタスコアが驚異の96点!
■あらすじ
主人公は、竜神の祝福を受けた存在「ドラゴンボーン」。
ドラゴンに助けられた主人公は、ドラゴンを倒すために旅立つ。
色んな人との出会いを経て、黒竜アルドゥインに挑む。
舞台は、同じオープンワールドでもGTAのような都市とは違う、本格ファンタジーな北の地「スカイリム」。
広大な自然に5つの大都市と小さな町、数えきれないほどの集落やダンジョンがあります。
本物のロールプレイ
圧倒的な自由度が「本物のロールプレイ」を実現。
序盤、いきなり広大な世界に放り出され、何をすれば良いのかわかりません。
戸惑いながらも自由に広大なフィールドを探索し、人々と交流しながら無数のサブクエストを見つけます。
・盗賊ギルドや怪しげな集団への加入
・魔法大学へ入学
・神々の頼まれ事
など、クエストの種類は様々。
そのクエストをいつやっても良い、やらなくてもいい。
地道に働いて生活費を稼ぐ、遺跡を探索する冒険者、狩人、錬金術師、コソドロ、など何になってもいい。ならなくてもいい。
全てプレイヤーの自由です。
これが、与えられた役割ではない本当の「ロールプレイング」ゲーム。
自由なプレイを受け入れるだけの、作り込まれた世界があります。
リアルな地形にリアルな密度で5つの大都市、無数の町や村、150を超えるダンジョンが点在。
見える場所は全て行けます。
都市や村の構造も「こんな場所ありそう」「これ系の映画で観たことある」感が出てます。
建物はオープンワールドにありがちなハリボテではありません。
家に入れるし、家の中まで生活感が匂い立つほどの作り込み。
皿、食べ物、酒、素材など、なんでもアイテムとして拾えるので、いちいち探りがいがあります。
前作のダンジョンデザイナーは1人でした。
本作では8人に大増量!
凝った謎解きや罠がある、複雑なダンジョンになりました。最奥部はボス出現。
じめじめした長い道を抜けると天井の割れ目から光が差し込むなど、演出も凝っています。
敵の強さはプレーヤーLVに依存。
メインクエスト以外のダンジョンは構造も変わり、高LVほど奥へ深くなる仕組みです。
NPCはそれぞれ農業や鉱業などの仕事につき、自律して生活しています。
AIは前作の進化版を搭載。
ちゃんと仕事に応じた生活リズムになっているのが面白いところ。
例えば、農民なら朝起きて、昼に仕事して、夜になったら寝る。
裏稼業や狩人は夜も活動。
だから、深夜にウロウロする人に出会ったら「こいつ、マトモな人じゃないな」と推察できる。
この作り込みにより、生きた世界を相手にする実感があります。
以上のような圧倒的ボリュームと作り込みにより、
まっすぐクリアして20時間、
ウロウロしながらだと50時間、
コンプを目指すと100時間、
この世界の全てを楽しみたい→1000時間以上。
ハマれば永遠に引きこもれる作品となっています。
オンリーワンの「画作り」
フィールドのほとんどは大自然。
綺麗だけどめちゃめちゃリアルって感じでもないし、派手さも無い。
2011年のゲームなので、2019年水準のゲームと比べるとやはり数段落ちる感はあります。
しかし「画作り」で本作の右に出るものはない。
「本格ファンタジー世界を旅してる感」は今もオンリーワンです。
誰に決められたわけでもなく自由に探索しているのに、つい見とれてしまうような景色が次々と現れます。
針葉樹林の森、谷間に点在する生活感のある村、怪しげな古代遺跡など、
北国らしいロケーションの魅力満載。
時間帯、天候はリアルタイムで変化します。臨場感が凄い。
普通のゲームなら、街と街の間にある岩場や森は「ただ配置されている」という感じで、見どころなんてない。さっさと移動するだけです。
対して本作は、なにげない移動中に「本当にこんな場所がある」かのような景色を見せてくる。
曇と雪の白い世界、オーロラ、冷たそうな流氷、先が見えない吹雪。
こういう景色を見ると、本当に「空気が冷たい」と感じます。
緻密な世界設定と、広大なフィールドをまるごと緻密に設計した作り込みのなせるワザ。
派手なデザインで、地形が起伏に富んでるゲームは沢山あります。
しかし「空気が冷たい」と感じさせるようなゲームは他にありません。
プレイすれば、本作がオンリーワンと言われるのもうなずけます。
現代をオンリーワンに作り込むとこうなる↓
良くも悪くもリアル
アクションゲームと比べちゃいかん
本シリーズ、アクション部分は「つまらない、地味、泥臭い」と不評の声もあります。
でもそれは仕方ない。むしろ必然といえます。
なぜなら、本作において戦闘は「この世界でできることのひとつ」にすぎないから。
戦闘も日常の一部なので、戦闘時だけ特別なスタイリッシュアクションができるとか、そういう特別扱いはありません。
動きはいつもどおりモッサリで、攻撃したときの手応えに特別な演出はなくザクザクと軽い。
自キャラ、相手ともにいつもどおり自由に動き回れるので自由度の高い攻略が可能。逆にいうとバランスが雑。
戦闘はあくまでも「できることのひとつ」として割り切り、システムに縛られない開放感を重視した作りです。
よって、ダークソウルみたいにアクションゲームとして練りこんだ作品とは別物と考えた方が良い。
一応、トドメ演出「フィニッシュムーブ」や竜語魔法「ドラゴンシャウト」により過去作よりは爽快感とメリハリがアップしました。
リアリティ重視のゴツいキャラ
ご覧の通り、キャラクリの時点で脱落する人は多いですね。
「リアリティ重視の世界観に、モデルのような美男美女はいらない」
と海外の一部ファンの声がウルサイらしい。
種族を大きく分けると「人間、エルフ、獣人」。
いずれも洋ゲーらしくゴツい顔。どう作ってもゴツくなります。
どうしても美形キャラでプレイしたい方は、次に紹介する「MOD」を導入しましょう。
MOD入れない派
「MOD」とはユーザーが作ったデータ改造ファイル。
・負荷の高い光源処理でグラフィックを強化
・自キャラを美少女化
・オリジナル装備を追加
など、無数に配布されているファイルを導入することで、自分好みにゲームを拡張可能。
データを直接イジるのでチートみたいなものです。
なので、ゲーム開発元としてはMODにいい顔をしないかと思いきや、本作開発元のベセスダはMODに対して好意的。
MOD製作者をスカウトして開発に入れたり、公式のMOD製作ツールを宣伝するほど。
本作はXbox One、PS4版までMOD対応らしい。
MOD文化は、本シリーズ人気の一因といえます。
自分の場合、MODを入れ始めると歯止めがきかず、PC版はいつもMOD集めでプレイ終了します。
かつては限界まで高画質MODを入れ、移動スピード10倍指輪とか機械アーマーみたいなのを着込んで遊びました。
最初はたしかにやりたい放題で楽しいです。でも世界観とゲームバランスが崩壊して途中で急激に飽きます。
だからPC版オープンワールドは最後までプレイしたことがありません。
その経験があるので、MODは入れない派。
でも誘惑に負けて入れちゃいそうなので、MODが面白そうなゲームでもPC版とPS4版が並行発売ならPS4版を買います。
また途中で投げた男の感想
ここまで語ってから言うのも何ですが、僕は本作が肌に合いません。
縛りが無いので「ゲームしてる感」が薄い。そのためいつも途中で投げます。
僕には本格ファンタジー世界をのんびり楽しむような心の余裕がないってことでしょう。
結論をいうと、今回も途中で投げました。
せっかくプレイしたので、記事の締めとして進めたところまでの流れをサクッと紹介します。
ゴツいキャラクリを活かして、強そうな見た目にしてみました。うーん、いい感じ。
断頭台に頭を乗せるときの気持ちをここまでリアルに体験できるゲームは他にないです。
景色を楽しみながらリバーウッド村へ。
ムービーではなく、自由行動の中でこの風景を見せつけるのが凄いですね。
R3押し込みで主観視点(FPS)、背後視点(TPS)を切り替え可能です。
僕はTPSが好み。やはり日本製RPGに慣れているので、キャラが映った方がいつものRPGっぽい気がします。
首長に報告しに行く場面。
本作は会話の進め方にクセがあります。
なんというか、選択肢がループして抜け出せない感じ。
最初にプレイしたときは上画像の場面でイライラして兵士を殴って乱戦になり、逃げてひたすら東へ高飛び。
その後、メインクエストを無視して色々やるうちに飽きちゃいました。
今回はそんなことにならないよう、粘り強く会話を進めます。
山賊だと思って倒した人が普通の人だったらしく、いつの間にか犯罪者になっていました。
誰も見てなかったのになぜだ~
犯罪者になると村人が全員敵になります。
会話もできなくなるのでクエストが進まない。施設も使えない。
こうなるとさっそくゲームを投げたくなります。
でも投げたい気持ちをぐっと押さえてプレイ続行。
時間がたつのを待って、罰金を支払って犯罪をもみ消しました。
序盤からドラゴン戦。
ダクソと同じでケツに張りつくと良い感じ。
心臓破りの7000段階段へ。
道を間違えて反対方向に進んだり、熊にやられたりでずいぶん遠回りしました。
移動速度がリアル徒歩なので、最初に到達するまでは目的地がはるか遠くに感じます。
でもファストトラベルが便利なので移動のストレスはありません。
一度発見した場所へ簡単にワープできます。ロードが短くてスムーズ。
メインクエスト「外交特権」
これこれ、このクエストが意味わからないんです。
装備を奪われ、パーティー服で敵集団の中へ。
日本語化済なのでテキストは読めます。でも何が目的で何をすればいいのか、状況が一切わからない。
火炎の十字放射を食らって無理ゲー。敵を倒すまで脱出できないので詰みます。
過去に3回以上、ニューゲームからプレイしたけど全てここで投げました。
今回は粘り強く戦います。
ドラゴンシャウト&回復フル活用で孤立した奴を倒し、装備を剥ぎ取り必死で突破!
「外交特権」を必死でクリアした直後、この辺で飽きました。
まとめ:永遠に引きこもれる本格ファンタジー
見方によってはイマイチな作品と言えます。
舞台は美しいけど、ここでやりたいことが見つからない。
クエストは山ほどあるけど単発ばかり。戦闘が単調。
しかし、
「やりたいことなんて必要ない。この世界にいるだけで幸せ」
と思える人にとっては最高のゲームになりうる。
「他人を倒した、倒された」
「あいつより上手い、下手」
そんな不毛な争いに疲れた。
効率良い攻略や目的なんて忘れて、本格ファンタジー世界に引きこもりたい。
そんな方におすすめです。
スカイリムが気になる本物志向な方へ、次に紹介するのはこちら↓