「約束された神ゲー」
といわれ、次世代のゲームとして高い前評判で登場した作品。
発売初週に3億3,000万ドルを売り上げるなど、様々な記録を塗り替える大ヒットを記録しました。
しかし、いざ発売されるとグラフィックがE3の映像から劣化してるubisoftおなじみの「グラフィック詐欺」と話題に。
期待が大きかっただけにゲーム内容にも不評の声が大きく、発売からたった3ヶ月でSteam同時接続113,877人から5,500人になりました。
そのため本作は神ゲーどころかガッカリゲーのイメージが強いです。
評価は今でも賛否両論で、
「ク◯ゲー!」という人もいれば、「ハマって何百時間も遊んだ!」という人もいます。
こんな具合なので、評判を聞いてスルーした方も多いのでは?
自分もスルーした1人です。
でも心の片隅で気になっていたので、実際どうなのかプレイして確かめてみました。ディビジョン2が発売されていますが、あえての1です。
記事をざっと見るだけで賛否が別れる理由、問題点がわかると思いますので、これからプレイしようか迷っている方はぜひご一読を!
参考のために自己紹介をしておきます。
わたくしヤギは30代半ばの在宅ワーカーで、時間に余裕はある方ですが単調なプレイを繰り返すほど精神的な余裕は無いです。FPS・TPSは下手で、3D酔いに弱い。でも面白ければどんなジャンルでも遊びます。
こんな僕と趣味嗜好が合う方は本記事が参考になるかと思います。
もくじ
ディビジョンってどんなゲーム?→ハクスラで長く遊べるTPS
舞台はオープンワールドのニューヨーク。
ボーダーランズやデスティニーのようなハクスラ※要素を取り入れたTPSです。
※ハクスラとは
語源は「hack(切り刻む)&slash(叩き斬る)」
・モンスターを倒して経験値やアイテムを入手
・キャラを強化して強力なモンスターを倒す
この繰り返しを楽しむゲームの総称。
トレハン要素があればなんでもハクスラと呼ばれるので定義は曖昧です。
ハクスラといえば「Diablo(ディアブロ)」が有名なので、Diabloライクと呼ばれたりします。
数多くのミッションをクリアし、強い武器・防具を集めてさらに難しいミッションに挑戦。この繰り返しを楽しみます。
レベル補正が大きいのでレベル上げが重要。
敵とのレベルが2以上離れるとほぼ勝ち目なし。「難しい!」と感じるときは大抵レベル不足です。
まっすぐメインミッションだけクリアしているといずれ行き詰まるのでレベル上げ作業が必須。
オープンワールドなのでどこにでも移動できますが、攻略や探索は適正レベル帯で行うことになります。
クリアするまではトレハンについて考えることはありません。
まずは何も考えずクリアしてLv30まで上げましょう。DLCもトレハンもそれからです。
装備はボックスや設計図から入手したりショップで購入できますが、クリアするまではドロップしたものだけ使えばOK。不必要な装備は分解しても意味ないので売ります。
武器にはなんか色々細かい性能差がありますがテキトーに選べばOKです。どうせすぐレベルが上がってもっと強い武器が出ますので。
ハクスラとは、より強い装備を集めて自分を強くしていく過程を楽しむゲーム。なので、ストーリーは薄いです。
主人公の背景描写は無し。いきなり荒廃したニューヨークに放り出され、ひたすらおつかいミッションの繰り返し。
おつかいミッションをクリアしても、終了後の展開が無いので散発的にお使いしてるだけです。
こんな具合でストーリーは結構どうでもいいので、あらすじだけ簡単に紹介します。
あらすじ
現代のニューヨークに、テロで人工ウィルス「ドルインフル」がばら撒かれた。
多数の死者を出し、都市機能は麻痺。警察力を失い治安が崩壊。
政府は事態収拾のために特殊部隊「Strategic Homeland Division」(通称ディビジョン)を送り込んだ。
ディビジョン隊員は選抜された市民。平時は一般市民だが、有事の際は大統領令によって治安維持部隊となる。上層部の統率力が失われた状況では、自身らの判断で活動できる。
しかしディビジョンの第一陣は、ほとんどが行方不明になってしまう。
プレイヤーは第二陣としてニューヨークに足を踏み入れる。
荒廃したニューヨークでは、以下のような無法者が好き勝手している。
・ライカーズ:ライカーズ島に収容されていた脱走犯
・クリーナーズ:火でウイルスを消せると思っており、火炎放射器で全てを焼き払う
・ラスト・マン・バタリオン:民間軍事会社が送り込んだ軍隊の残党。JTFに失望し、自分たちで「統治」を開始した
これらの武装勢力を鎮圧し、テロの首謀者の逮捕・都市機能の回復を目指すのだ!
雪が降るニューヨークを完全再現!
グラフィックは発売当時トップクラスなのは間違いなく、今遊んでも「おおっ」と思うレベル。
オープンワールドとしては狭い方ですが、とにかく画面に映る物量が凄いです。
リアルな雪、水たまり。放置された自動車・自転車。非常階段までこれでもかと作り込まれた建物。積み上げられたゴミ・ゴミ・ゴミ!
ゲームエンジン「Snow Drop」により天候・時間が変化し、時間経過により車や路面に雪が積もります。
その組み合わせにより景色がガラリと変わり、ハッとするほど鮮烈な美しさを感じる瞬間があります。
悪天候や夜中は視界が悪くなって敵を見つけづらくなったりして戦闘にも影響がでるのも面白いところ。
しかし、グランドセフトオートと同じくほとんどの建物には入れません。街中にいるNPCとの絡みも無し。
この街はまるで外見だけ作り込まれたハリボテのよう。そのため、グラフィックは良いのにプレイしてみると意外と臨場感が無いです。ハリウッドのセットにいるみたい。
背丈ぐらいのオブジェクトはカバーアクションに使ったり乗り越えることができます。
挙動面ではこのカバーアクションが特徴になっており、「オブジェクトに身を隠す→頭を出して撃つ」の繰り返しになります。
走りながらランボープレイできるゲームではありません。また、ステルス要素も無いです。ひたすら「隠れる→撃つ」の繰り返し。
一応、ソロで遊べる
オンライン要素が特徴的。PvE・PvPの2種類が楽しめます。
・どのミッションも他プレイヤーと協力するcoop(PvE)が可能
・ダークゾーンでは裏切りによりプレイヤーと敵対するPvPが発生
でも、それらやらなくても強い装備は手に入るので、1人でコツコツ遊べるゲームです。むしろストーリーを攻略するだけなら、やらない方が良い。過疎ってますし。
というのも、
・PvEは美味しくない
協力するとただでさえ硬い敵がさらに敵が硬くなるため、ストーリー攻略中はむしろ難しくなる
・ダークゾーンも美味しくない
初心者狩りが横行。敵対すると装備を奪われるし、装備を入手しても回収困難
ただし、レベルカンスト後の高難易度「チャレンジ」はPvE用のゲームバランスなので、トレハンを極めるならソロでは厳しいです。
ところで、本作は常時ネット接続必須。
そのせいでスタンバイ状態から復帰すると3分間の長いロードの後、リスタート地点に戻されてしまいます。スタンバイ状態を使ってコツコツ遊ぶ自分としてはこれがツラい。
ところで発売からもう3年以上たって次作「ディビジョン2」も出ていますが、オンラインサービスはいつまで続くんでしょうね。サービス終了したら遊べなくなる?
この辺は、メタルギアサヴァイヴなどオンライン専用タイトルには常につきまとう不安。どうせ終了する頃には他のゲームをやっていますが、せっかくやり込んだゲームが消滅するのは寂しいものです。
メタルギア サヴァイヴのレビューはこちら↓
難点:ディビジョンの敵硬っ!火力高っ!インチキ臭っ!
CPUの出来が悪い。簡単にいうとバカ。
間抜けな立ち回りを理不尽な硬さ・火力・鬼エイムで補う、典型的なク◯CPUとなっています。
例えば、
・同じルートを行ったり来たり
・カバーしたまま頭を出さずフリーズ状態
・銃でフル武装してるプレイヤーへ、盾も持たず打撃武器を振りかざしてまっすぐ走ってくる
こんな奴ばかり。
我慢してどれだけ進めても、敵が硬い・攻撃が痛いだけのバランスは永遠に変わりません。
カバーアクションが特徴って、よく見るとちゃんとカバーして戦ってるのプレイヤーだけじゃないか!
PvPで緊張感を出す前にまともなCPU戦を作ってくれ、と言いたいです。
あと僕は元々、Ubisoft製TPSのグニャグニャ挙動が苦手です。
本作はどこにでも張りつけるカバーアクションが特徴なのですが、
・切ってるはずの射線で被弾する
・カバーする場所を切り替えようにも地形に吸い付くようにグニャグニャ動く
・射撃後、カバー解除されて棒立ちになる
これらは慣れてもストレスが溜まります。
以下、ク◯CPUと理不尽な仕様について詳しく説明します。
ヘッドショット20発に耐える硬さ・鬼エイム
こいつら人間じゃねぇ!
敵どんだけ硬いんだと。頭部にアーマーなんて装備してないのにヘッドショット何十発当てても全然体力減りません。敵はターミネーターか?
ハクスラ要素のあるゲームはたいてい敵が硬いものですが、本作は敵がモンスターやロボットではなくただの人間なので不自然です。
しかもショットガンで撃っても、ヘッドショットしても怯みません。エイムもブレないので先手を取ってるのに撃ち負けます。
特にベテラン(紫表示)エリート(黄)といった強敵にはヒット・アンド・アウェイが基本。正面で撃ち合っても勝ち目ないです。
多数相手、鬼エイムなのにこちらは紙防御
カバーアクションを前提としたせいか、敵が異常なほどの鬼エイム。体出したら即撃ち抜かれます。
こちらがスナイパーで狙うような距離を、ヨロヨロと走りながらSMGでスパスパ当ててくるのは笑う。
しかも、敵の硬さに比べてこちらの防御力は紙すぎます。
4発ぐらいパスパスッと軽く食らうと終了。グレネード食らうと一撃死。
いくらカバーを活用しても、グレネード投げてきたり、敵が硬さゴリ押しで近づいてくれば体を出して移動せざるを得ない。その移動中にスパスパと撃たれてあっという間に死にます。
例えるなら、セカンドウィンドで復活できないボーダーランズ2。
これがどれだけ理不尽か、ボダランをプレイした方ならわかるでしょう。
ボダラン2のレビユーはこちら↓
数発食らったら500m手前からリスタート
前述の通り、紙防御で瞬殺されるのにリスポン場所が遠い!
あと敵1人なのに500m前からリスタートとかザラです。
・100発ぐらい撃ち込んでも倒せない
・2、3発食らって死亡
・数百m前からリスタート
瞬殺からの500m戻しはほんとツラいですよ。やられるたびにリアル自宅→駅ぐらいの道のりを徒歩で移動させられます。
この繰り返しはさすがに心折れるので、ソロでも復活する手段がほしい。
メインミッションにはこまめなチェックポイントがあるので、ラッシュの直前からリスタートできます。
しかし、リスポン後はラッシュの最初からスタート。難所はラッシュ後半なので、それまで消化試合をこなすことに。何度もリスタートするとウンザリです。
結論:あなたにふさわしいハクスラが他にあるはず
ハクスラなのでそりゃコツコツ遊べば楽しいです。
でも、あなたにふさわしいハクスラが他にあるはず。
僕にとっては、ディビジョンはボーダーランズ2の下位互換でした。
レベル上げが中盤からダルいのは同じですが、
・カバーアクション主体の戦い方に幅がない
兵科もなければスキルも大したものは無い。自由度があるのは武器の種類ぐらい。しかしそれも、特にこだわりが無ければ一番強い武器を使うだけ
・敵があまりにも硬い
・すぐやられるのに復活できない。しかも大きく戻されてリスタート
・地味な実銃ばかりで武器のトレハンが楽しくない・フィールドが代わり映えしない
というように萎える要素が多いです。
ディビジョンを遊んだ後、なんだか無性にボーダーランズ2に復帰したくなりました。
あの傑作ボダラン2すら途中で萎えた僕が、その下位互換を楽しめるわけないでしょう。
ハクスラにつきものですが、やはり中盤から単調なレベル上げがダルいです。
レベル10ぐらいまでは色々と新しいことを覚えて楽しい。しかし、それ以降は本当に同じことの繰り返し。
中盤以降、サイドミッションをこなしてレベル上げする必要があります。そのサイドミッションが退屈。どの任務も、結局は退屈なカバーアクションで敵のラッシュを退けるだけ。
「マップ見る→徒歩で現場に直行→銃撃戦して終了」の繰り返し。
現場まで毎回500m以上、徒歩で移動します。
途中、探索要素とか特に何もないので景色を楽しむだけですが、その景色もずっと同じ。
いくら天候・時間帯によって景色が変わるといっても、ロケーションが全く同じなので10時間もプレイすれば飽きます。
自分がニューヨークになじみがあればもっと楽しめたのかもしれません。
それにしても、なんで徒歩限定なんですかね。燃料が無くても自転車ぐらい乗れるでしょうに。
まとめ
本作ならではの要素は
・雪が降るニューヨークを再現したグラフィック
・実銃を使える
この2点に惹かれるものを感じるならプレイしてみても良いかもしれません。
飽きながらも、いつまでもだらだらと遊べるゲームではあります。
とにかく時間が余ってて、ヒマを潰したい方におすすめ。
しかし、あなたにふさわしいハクスラが他にあるはず。
ディビジョンを遊ぶと、不思議と他のハクスラが遊びたくなります。
僕はディビジョンをプレイしてボダラン2の出来の良さに気づきました。
ありがとう、ディビジョン。