Dust An Elysian Tailってどんなゲーム?
Dust An Elysian Tailとは、メトロイドヴァニアな謎解き&探索要素がある2Dアクション。
制作者はほぼ一人らしい。
謎の戦士、ダスト。
手に持つ伝説の剣、アーラ。
魔法で援護する守護精、フィジット。
この3人組がRPGのように掛け合いながら旅をして、世界とダスト自身の過去を明らかにします。
タイトル画面で目立つハングル文字。
制作者はアメリカ育ちの韓国人らしい。その影響か、ゲーム中の服装や建物に韓国風の趣があります。
■アクション
アクションで最大の特徴は、空中ダストストームの挙動。
ぶっ飛びすぎ!
クルクルクル~と竹とんぼのようにマップ端から端まで飛び回ります。
ダストストームには魔法を巻き上げて拡散する効果があり、タケコプターのように飛び回りながら全画面に魔法をバラ撒いてめちゃくちゃな状態になります。
■育成
育成や装備クラフト要素あり。
育成によってステータスが20倍以上にインフレするため、戦闘ではアクションの腕より育成が重要。
■ボリューム
サクサクやれば10時間でクリアできます。
ほぼ一本道をひたすら駆け抜ける流れ。
メトロイドヴァニアとしてはあまり期待しない方が良いかと。
脇道に行ってもたいしたリターンが無いし、植物爆弾(後述)の仕掛けが面倒なので探索する気が出ません。
感想
ファンタジーな水彩画風グラフィックの質は高いです。一人で作ったとは思えない。
一方、アクションに関しては“ほぼ一人で作ったインディーゲー”のイメージ通り。
数あるアクションゲームと並べて平等に比較すれば見劣りします。
『スーパードンキーコング』のような名作級と比べるまでもない。『高橋名人の大冒険島2』の方がはるかに上です。
ゲームやアニメでも何でも、その道のプロが集結して作ったコンテンツに正面から一人で挑むのは無謀だと痛感させられました。
以下、気になった点を列挙します。
■戦闘が単調
戦闘が単調すぎて飽きが早いです。
前述の空中ダストストームは最初こそ楽しいものの1時間もやれば飽きます。
ダストストームによる魔法拡散はやたらと派手だけどダメージが全然出ません。
連打すると何千チェインとつながるけどチェインを稼ぐ意味もわかりません。
敵は物量ゴリ押し。
特徴の無い敵が不自然にわらわら湧いて押し寄せます。
その謎の物体達をひたすらなぎ倒すだけの戦い。
なぎ倒すといっても、敵が硬すぎる上に無限湧きの場所が多いため爽快感は無いです。
サクサク進むと中盤から敵が異様に硬い。被ダメがやたらとデカい。
レベル上げが必要で、クリアに要する10時間のうち稼ぎ作業に5時間かかります。
物量ゴリ押しのザコはもちろん、ボスの行動もワンパターンで単調。同じ間合いで延々と同じ攻撃の繰り返し。
画面端で普通に起き攻めハメできます。できないのはラスボスぐらい。
■最大の敵はトゲ
本作最大の敵はトゲなどの地形ギミック。
これがしんどい。
というのも、被弾するとダストが吹っ飛ぶため。
地形を登る途中いやらしく配置された敵やトゲに当たると吹っ飛んで真っ逆さま。
登り直してまた吹っ飛ぶ延々ループで感情が虚無になりました。
(お前が下手なのが悪い? ああそうですか)
ダストが派手に吹っ飛ぶ一方、敵は皆スーパーアーマーで全く怯まないのが頭にきます。
■謎の植物爆弾
ダストストームで風を巻くとふわふわ寄ってくる、不気味な植物爆弾を活用する仕掛けがあります。
てか、本作に登場する仕掛けはほぼこれのみ。
時間経過で爆発し、敵にぶつかったり地形に引っかかったりでイライラ度が高いです。
この仕掛けが嫌いなので探索する気が失せました。
■その他、細かい不満点
・ダッシュ操作
L2で左、R2で右。この仕様がめちゃくちゃ混乱します。
敵をすり抜けたいのにバックダッシュしちゃってもう嫌。
(右スティックでもダッシュできることに気づいたのはクリア直前)
・ボス戦前やショップの掛け合いがカットできない
まとめ
値段以上の価値はあります。
ただ、10時間費やす価値があるかと問われたらNOと言いたい。
序盤から「なるべく早くクリアして終わろっ」とプレイ方針が固まりました。
その方針はクリア後も揺らぎません。
同ジャンル&価格帯なら『The Vagrant』の方がおすすめです。