発売当時「PS4を買ったらまず最初にプレイするのはコレ!」と思っていた作品。
バットマンをモチーフにしたオープンワールド。2015/7/16発売。
圧倒的な完成度の高さでキャラゲーの常識を覆した「アーカムシリーズ」最終作。
開発は名作「アーカムシティ」のロックステディなので期待は高まります。
シリーズ2作目の前々作:バットマン アーカムシティ
ベルトスクロールの名作:バットマンリターンズ
もくじ
はじめに
アーカムシリーズ最終作
新世代ハード専用(PS4/Xbox One/steam)になりグラフィックが大幅パワーアップ!
ネオンに照らされた街並み、高層ビル、複雑な地形。
道路は車や一般人(犯罪者)が行き交うようになりました。
ハイスピードで飛び回っても遠景まで安定したフレームレートで表示されるのは驚きます。
前々2作、「アーカムアサイラム」「アーカムシティ」はバイオショックみたいなレトロ感ある美術が印象的でした。
本作はレトロ感も残しつつ全体的にメカメカしい。
考えられることは全て詰め込んだ
できること、考えられることを全て詰め込んだ、ゴージャスな作品。
ギミックが追加されたコンバット&プレデター。
目玉であるバットモービルを絡めた謎解き。
これ以上「こんなことしたいなー」という要素が思い浮かびません。
マップの広さは前々作「アーカムシティー」の5倍とのこと。
メインだけ追ってもプレイ時間15時間超えます。
さらにリドラー、ペンギン、トゥーフェイス、ファイアフライなど有名ヴィランを追う山のようなサイドミッション。
サイド1つ1つの描写こそ薄めですが、コンプを目指すと50時間はかかる大ボリュームです。
戦闘の経験値は微々たるものなので、メインだけ進めるとバットマンをほとんど強化できません。
サイドをこなせば大量の経験値が貰えるし、メインにはボス戦らしいボス戦が無いのでサイドを並行して進めた方が楽しめます。
2人のキャラを切り替えて戦うパートを追加。
テイクダウンを多く使える以外、特に意味はないけど豪華。
なんか変な協力パートもあります。
失敗すると1発ゲームオーバーで長いロード画面になるので印象は悪いですが。
捜査パートは、カメラ映像を巻き戻したり拡大したりで名探偵のような気分になれます。めちゃ簡単だけど。
進化したアクション
ゲーム開始時のバットマンは動きにキレがありません。
「次世代機でよくある、モーションがリアルになってモサくなるやつか」
とため息が出かけましたが、この後すぐ投入される新スーツの性能を引き立てる演出でした。
新スーツ装備で全性能がパワーアップ!
便利なアクションが追加され、動きもキレキレに。
「モービルから飛び出す→グライド中に次のグラップを予約→グラップブースト」
といった具合にスムーズにアクションをつなげることができます。
高所から落下中にモービルを呼ぶとかっこ良く搭乗。
逃走車にぶつかったと思ったらいつの間にか爆弾を仕込んでたり。
「どこまで凝ってるんだこのゲーム…」
と感心を通り越して引くレベルです。
戦闘もできることが多い。多すぎて書ききれません。
一応、相手がどんな奴らでも
・ローリング・攻撃を繰り返す
・ゲージ溜まったらテイクダウン
の繰り返しでクリアは可能です。
でもアーマー野郎はちゃんと割り込んでくるし、
刀野郎は攻撃マークの見えない位置から飛んでくる上、振りが早くてカウンターが難しい。
ローリング連発でフルコンボできるほど甘くないです。
夢の乗り物「バットモービル」
「よくこんなの作ったなー」と感動
男の願望を詰め込んだような夢の乗り物「バットモービル」が登場。
動きの自由度が高く、やりたいことは何でもできる。
リモート操作で協力する場面が多いため、パートナーキャラのように活躍します。
出番が多すぎて賛否両論のバットモービルですが、最初は「よくこんなの作ったなー」と感動しますよ。
完全に現実離れした乗り味です。
・接地感がないので四輪というよりホバー
・ドリフトでやたら小回りが効く
・ぶつかってもノーダメ
・トンネルでは天井まで張り付く
・ワンボタンで無双シリーズの馬のようにどこからともなくかっ飛んでくる
装甲は何でできているのか、何馬力でどんなシステムならこんな芸当ができるのか。細かいことは抜きの超性能。
バットマンの空中移動と違い、目の前全てを蹂躙して突き進むのが醍醐味です。
柱や角にぶつかると地形をえぐっていく。コンクリートがまるで豆腐のよう。
エンジンの重低音、戦車ゲーのような発砲音も気持ちいい。
乗っている間は画面上にルートが表示されるので目的地に行くのも楽。
ただ荒れ地はルートから除外されるので、ナビに従うとかなり遠回りになります。
戦闘モードに変形。
挙動は全くの別物になります。
左スティックで平行移動、右スティックで旋回。滑るようにスライド。
2種類の形態を駆使する複雑な操作は一通りクリアした今でも戸惑います。
バットマンと交互に操作することも多いので余計に混乱しますね。
通常モードのアクセルと戦闘モードの射撃が同じボタン(R2)なのはどうかと思います。
「戦闘→通常に戻して加速」ってときに発砲して格好悪い。
バットモービルにはこんな使い方もあります。
やらされてる感はある
デモシーンではあれだけ黒光りして重量感があるのに戦闘中は安いラジコンみたいな操作感。
戦闘時は、射線が見えるシステムと敵のチープさが相まってオモチャ感が増します。
謎解きはバットマンとモービルの協力が必須だし、グラップできないトンネルのような場所はモービルに乗るしかない。
半強制的に乗る場面が多いため「やらされてる感」があります。
後半は正面からの攻撃が効かないタンクや、無敵の削岩機から逃げる展開が多いです。
敵タンクはプレデターの人間よりはるかに手強い。
いやらしいほど視界が広く、ちゃんと死角をカバーし合う。攻撃を1発食らうと3割減る大ダメージ。
積極的に攻撃できないからストレスが溜まる上、詰み状況から長いロードの繰り返しになるため印象が悪い。
この敵タンクの手強さこそ、主人公はバットモービルといわれる所以です。
初見殺しの1ミス即死が続く削岩機戦は心折れかけました。
とはいえ、ボス戦はダメージを与えた状態でリスタートなのでご安心を。最初からリスタートなら投げてたかも。
正面が弱点なのに正面へ圧倒的な火力を持つボスタンク。
狭い路地をグルグル回って射線を切るのがコツ。
気になること
要素の多いゲームでありがちな難点
無理でしょこれ。
ボタンフル活用。
使用頻度の高い操作は自然と慣れるけど、最初は途方に暮れるややこしさ。
多数のガジェットを「使わされてる」感があります。
新ガジェットのボイスチェンジャーをしつこく使わされる一方、シリーズおなじみのリモートバットラング、ラインランチャーの出番はほぼ1回。
前作までは1つの系統を「入門→応用」と掘り下げていましたが、本作では山盛りの新要素を消化するため延々と入門レベルが続きます。
そのため1つ1つのガジェットを使いこなす面白味が薄い。終始チュートリアルをやってるような気分。
肉弾戦の「コンバット」は、できることが多すぎて逆に色々使う気が失せました。
後半は敵も次々と新装備を投入してくるので「もうバットマンも銃使えばいいのに」と思ってしまいます。
てか普通にバットモービルの大砲で撃ってるし。
ステルス戦「プレデター」は地形が複雑すぎて状況の把握が面倒です。
捜査モードだと高低差がわかりにくいのは、今まで捜査モード1択だったからあえての仕様でしょうか。
終盤でもゴリ押しが効くようなひねりの無い構成なので「ダイブキック→テイクダウン→上空へ」の繰り返しで終わりがち。
最強の敵はセントリーガンです。
いまいち入り込めないストーリー
多くのヴィランをサブクエに回してメインの登場人物を絞ったことで、ストーリーは綺麗にまとまっています。
しかし、常にバットマンのアイデアとガジェットの力で進行するので、プレイヤーがおつかいを担当するだけの傍観者になってしまう。
幻覚や他キャラ視点になる演出も相まってプレイヤーは外野に追いやられます。
そのため目的とプレイ内容がいまいちシンクロしません。何のために何をやってるのかすぐ忘れてしまう。
「あれ、何のために飛行船を傾けてるんだっけ?」みたいな。
街を守るために戦っている実感が無い。
ネオンが浮かぶ現実感がない風景。さらに街全体がガスに包まれ、巨大な植物が生えてきたりでもうめちゃくちゃ。
新ヴィラン「アーカムナイト」は物語を引っ張る魅力があります。
サイボーグ忍者のような見た目と軍隊を率いる強大な力。
でも喋ると小物っぽいです。正体も…
バットマンが最後にとる行動とは?
ナイトフォール作戦とは?
真エンディングの条件は全ミッションクリア。
条件にリドル全収集を含む鬼仕様です。
自分の場合、クリアしたのにリドルは243個中5個しか持っていません。先は長いです。
その他
1ミスでゲームオーバーになる状況がかなりありますが、リトライのロードがシリーズ最高に長くてストレス溜まります。
しかもシリーズおなじみの煽りデモはカット不可。
ローカライズが雑。
会話がたまに意味不明。字幕を一気に出しすぎです。
ハッキングの文字列が直訳すぎて笑う。
リドラーのミッションはストレスが溜まる上に「猿でもクリアできるぞ!」とめっちゃ煽ってきます。
真エンディングを目指す場合はクソゲーを強いられてツラい。
女キャラの顔が相変わらず。
むしろアーカムシティより悪化してるのでは。
本作とは関係ないけど映画「スーサイド・スクワッド」のハーレーは可愛いから期待してたのに。
ブスは寝てろ!
バーバラも可愛くねぇー助ける気にならねぇ~
まとめ:アーカムシリーズ最終作にふさわしい超大作
バッドモービルの「やらされてる感」と、そのやり込みを強いる真エンディング条件によってときに酷評される作品です。
しかしやり込み要素を無視して楽しめば、考えられることは全て詰め込んだ豪華さに満足せざるを得ません。
アーカムシリーズ最終作にふさわしい超大作。
はっきり言います、
賛否両論だからといって本作をプレイしないのはもったいない!
しかし、こんな化物みたいな大作なのに国内の年内売上たったの8万本(PS4)。
同時期発売の「戦国BASARA4皇(PS3)」といい勝負。
そりゃローカライズも雑になるわ。