空の革新

フライトシューティング「エースコンバット」シリーズ。待望のナンバリング作品が12年ぶりに登場。
テーマは「空の革新」。
光と大気、雲の豊かな表情はかつてないもの。この空を味わうだけでもプレイする価値はある。
天候の変化は操縦に影響する。
・雲、砂嵐、霧:視界悪化、ミサイルの誘導性能低下
・水滴、着氷:キャノピーに水滴がついて視界悪化。着氷すると機体性能低下
・落雷:計器類が狂う&制御が乱れる
・気流:風にあおられて流される
いずれもプレイヤーの操作を邪魔する。
シナリオ担当は『4』『5』の脚本、映画「この世界の片隅に」監督の片渕須直氏。
ユージア大陸を舞台に軌道エレベータと無人兵器を巡る戦争を描く。
敵味方の別視点、別のドラマから、1つの出来事を多角的に見せる構成。
操作はエスコンらしい軽快さ。
難易度は普通ならユルめ。弾は余るし回避も簡単。
難点
テンポが悪い
間が長くてテンポが悪い。
マップは広いものの、何も無いエリアと敵が密集した激戦区の両極端。よって移動時間がムダに長い。
[台詞待ち、識別待ち、味方の移動待ち]など演出時間も長い。
おまけにミッションクリア後も会話が1分続く。さっさとハンガーに戻してくれー
ミッションの流れは以下の通り。
[(移動)→ターゲット撃破→(会話待ち)→遠くに増援出現→(移動)→撃破→(会話)~ミッションクリア(会話)]
カッコ部分はヒマな時間。
1ミッションで15分はヒマ。R2押してボーっとしている。ボーっと空を飛ぶ15分は長い。
これに初見殺しと大ざっぱなチェックポイントが相まって何度もヒマな時間を味わう。
ヒマ時間がダルいので2周目をやる気も失せる。
ストーリー
不満を超えて「なんでこうなっちゃったんだろう」と疑問。
■キャラの魅力が薄い
主な登場人物は、
[スクラップクイーン(整備士)、無人機の設計者、王女、敵エースのおじいちゃん、姉妹]
誰にも興味を持ちにくい。
ムービーではスクラップクイーンの長い1人語りが続く。
斜に構えた態度でエラそうで口が悪い。好きになれる要素が無い。
他キャラも斜に構え気味でウンザリしてくる。
終盤はスクラップクイーン&王女の立ち回りが超展開で感情移入できない。
あげく「無人機を倒せば戦争が終わる」的な安直さで両軍が力を合わせる展開に。今まで戦いは一体なんだったんだ、と虚しくなる。
■エース感が薄い
自分の行動が物語に反映されないので“自分が引っ張ってる感”が無い。
「ムービーの物語とプレイヤー(トリガー1)がどうつながるのか」と最初はワクワクするが、結局つながらない。
ムービーの人達が目立つ一方、主人公部隊のメンバーは「アンタ誰だっけ?」状態。
キャッチコピーの「願い、救い、痛み、恐怖、空はひとつにつながらない。」はその通りだった。
■エース扱いが中途半端
プレイヤーは、名前も忘れたような隊長と同列に扱われる。
後半は「俺たちにはエースがいるからな → いや、この戦争を生き残ったんだ。全員がエース級だ」と言われてせっかくのエース気分がぶち壊し。
■ひとり旅
メンバーと共闘してる感がないのもエース気分にならない要因。
・味方NPCに指示できない
・NPCの攻撃はダメージが入らない
よって大規模な集団戦も実際は1対多。
巨大兵器&無数のUAVも自分ひとりで戦う。さみしい。
■敵が無人機
過去作は主人公が敵編隊・エースをなぎ倒して絶対的エースに成り上がるのが燃えた。
対して本作の主な相手は最初から最後まで無人機。
しかもボス以外の無人機はミサイル1発で落ちる紙飛行機。こんなゴミをいくら落としてもエース気分はアガらない。
敵エースは無人機のデータ取り用テストパイロットおじいちゃん。プレイヤーのライバルとして微妙。
その他
■制限ミッションが多い
制限つき、天候不良、シリーズおなじみ渓谷くぐりやトンネルくぐりなど、不自由なミッションが多い。
時間制限ミッションはターゲット出現を聞いたら即直行を強いられるほど厳しい。
■グラフィック

景色、機体ともにぼんやり。
地表を近くで見るとかなり粗い。
機体は『6』の使い回しなのでモッサリ感がある。
空は、力作の雲を見せるために雲や霧が多い。
そのためスピード感が無い。マッハ2でも止まっているように見える。
どこに行っても雲の中なのでステージごとのロケーションの違いがわかりにくい。
■開発ツリーが見づらい

アイコンもテキストも見づらすぎ。
おかげでルートを間違えてF35からフランカーに脱線して金と時間を無駄遣いした。
大まかな分岐がわかる全体マップや逆引き機能が欲しい。
■マルチ
マルチはPVP(対人)のドッグファイト専用。
ストイックすぎてすぐ辞めた。よほどの対人狂以外は続かないでしょこれ。
UAVや地上ターゲットの撃破スコアを競うとか、対巨大兵器の共闘とか種類が欲しい。
まとめ
エスコンらしい安定の面白さはある。
しかし、
・テンポの悪さ
・微妙なストーリー
・不自由なミッション
など難点が目立つ。
特にテンポの悪さが厳しい。クリア後は遊ぶ気が失せる。
劇的進化で驚いた『2』
色んな意味で限界を追求した『3』
新たなスタンダードを作った『4』
成熟した『5』『zero』
これら過去作に比べるとガッカリ感がある。
期待値を下げてサクッと一周して終わり、って感じの作品。




